東京為替見通し=ドル円、日米金利動向を眺めながらの動きか

 先週末のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。米7月雇用統計の結果を受けて米長期金利の急低下に伴い、ドル円は141.55円まで弱含んだ。注目の米経済指標の結果を受けて全般ドル売りが優勢となり、ユーロドルは1.1042ドルまで続伸した。一方、ユーロ円はNYタイムで一時156.63円まで上昇するも米株の下落で買いは続かず方向感は限られた。

 本日は東京タイムだけではなく、欧米市場でも注目の経済指標やイベントは予定されておらず、ドル円は日米金利や株価の動向を眺めながらの動きとなりそうだ。先週末の米雇用統計で、最近の米長期金利の上昇とドル高の調整が進んだが、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続の可能性が残されており、ドル高の地合いは当面続きそう。雇用の鈍化はFRBに一定の安心感を与えるかも知れないが、労働市場の逼迫懸念は解消されたとは言えず、賃金の上昇によるインフレ高の継続が懸念される。

 日銀が7月の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)運用の柔軟化を決定した以降、本邦の長期金利の動きや日銀による臨時の国債買い入れオペの実施有無に関心が集まっており、ドル円もこれに絡んで神経質な動きとなっている。YCC柔軟化で本邦長期金利に上昇圧力が強っているが、日銀は長期金利の1%までの上昇を容認しつつも機動的に対応するとしており、金利はじりじりと上昇して落ち着きどころを探る状況が続くことが、ドル円の上値を圧迫しそうだ。目先はドル円に方向感が出にくく、日米金利動向を眺めながら上下し、新規の手がかり待ちとなるか。

(金)
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