欧州マーケットダイジェスト・9日 株安・金利低下・円高

(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.52円(9日15時時点比▲0.67円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.89円(▲0.56円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0563ドル(△0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:7492.21(前営業日比▲2.37)
ドイツ株式指数(DAX):15128.11(▲101.66)
10年物英国債利回り:4.476%(▲0.097%)
10年物独国債利回り:2.772%(▲0.112%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
8月独鉱工業生産
前月比                ▲0.2%    ▲0.6%・改
前年比                ▲2.0%    ▲1.7%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下落。イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの衝突を受けて中東の地政学リスクが高まる中、リスク回避的な円買いが優勢となった。アジア時間の安値148.99円を下抜けると一時148.52円まで値を下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー内でタカ派として知られるローガン米ダラス連銀総裁が「米長期債利回りの急上昇は金融当局による追加利上げの必要性を減らす可能性がある」と発言したことも相場の重し。
 前週末の安値148.36円が目先サポートとして働くといったんは148.78円付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「利回り上昇の引き締めへの影響に留意」「リスクバランスが改善する中、FRBは慎重に進むことが可能」などと述べたことがドル売りを促し、3時前には148.45円と日通し安値を更新した。

・ユーロドルは下げ渋り。8月独鉱工業生産が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行。17時前に一時1.0520ドルと日通し安値を付けた。中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いも出た。
 ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが進んだ。ローガン米ダラス連銀総裁やジェファーソンFRB副議長のハト派的な発言を受けてユーロ買い・ドル売りが入ると1.0567ドル付近まで持ち直した。

・ユーロ円は弱含み。独経済指標の下振れをきっかけに円買い・ユーロ売りが先行。中東情勢緊迫化で欧州株相場が軟調に推移するとリスク・オフの円買いが入り、24時前に一時156.52円と日通し安値を更新した。
 ただ、複数のFRB高官からハト派的な発言が相次ぐと米国株が持ち直したため、リスク・オフの円買いは後退。3時過ぎには156.93円付近まで下げ渋った。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘を受けて中東情勢への懸念が強まり、リスク回避の売りが出た。HSBCやバークレイズなど金融株の下げが目立った。半面、原油先物相場の急伸を受けてBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を下支えした。

・フランクフルト株式相場は反落。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘を受けて中東情勢への懸念が強まり、リスク回避の売りが優勢となった。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(3.43%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(2.28%安)、コンチネンタル(2.23%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。中東情勢への懸念を背景に相対的に安全資産とされる独国債に買いが入った。

(中村)
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