ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、反落

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は148.51円と前営業日NY終値(149.32円)と比べて81銭程度のドル安水準だった。イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの衝突を受けて中東の地政学リスクが高まる中、リスク回避的な円買いが先行した。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するローガン米ダラス連銀総裁が「米長期債利回りの急上昇は金融当局による追加利上げの必要性を減らす可能性がある」と述べたことや、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「利回り上昇の引き締めへの影響に留意」「リスクバランスが改善する中、FRBは慎重に進むことが可能」などと発言したこともドル売りを促した。4時過ぎには一時148.44円と日通し安値を更新した。

 ユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.0567ドルと前営業日NY終値(1.0586ドル)と比べて0.0019ドル程度のユーロ安水準だった。ただNY市場に限れば、じり高の展開となり下げ渋った。中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出た半面、ローガン米ダラス連銀総裁やジェファーソンFRB副議長のハト派的な発言を受けてユーロ買い・ドル売りが入った。5時過ぎには1.0572ドル付近まで買われ、アジア時間に付けた日通し高値1.0574ドルに迫った。

 ユーロ円は4日ぶりに反落。終値は156.93円と前営業日NY終値(158.07円)と比べて1円14銭程度のユーロ安水準。中東情勢緊迫化で欧州株相場が軟調に推移するとリスク・オフの円買いが先行し、24時前に一時156.52円と日通し安値を更新した。
 ただ、FRB高官からハト派的な発言が相次ぐと安く始まった米国株相場が上昇に転じたため、リスク・オフの円買いは後退。5時過ぎには一時157.00円付近まで下げ渋った。

本日の参考レンジ
ドル円:148.44円 - 149.24円
ユーロドル:1.0520ドル - 1.0574ドル
ユーロ円:156.52円 - 157.80円

(中村)
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