NYマーケットダイジェスト・9日 株高・原油高・円高・ドル失速

(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.51円(前営業日比▲0.81円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.93円(▲1.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0567ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:33604.65ドル(△197.07ドル)
ナスダック総合株価指数:13484.24(△52.90)
10年物米国債利回り:休場
WTI原油先物11月限:1バレル=86.38ドル(△3.59ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1864.3ドル(△19.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は反落。イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの衝突を受けて中東の地政学リスクが高まる中、リスク回避的な円買いが先行した。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するローガン米ダラス連銀総裁が「米長期債利回りの急上昇は金融当局による追加利上げの必要性を減らす可能性がある」と述べたことや、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「利回り上昇の引き締めへの影響に留意」「リスクバランスが改善する中、FRBは慎重に進むことが可能」などと発言したこともドル売りを促した。4時過ぎには一時148.44円と日通し安値を更新した。

・ユーロドルは4日ぶりに反落。ただNY市場に限れば、じり高の展開となり下げ渋った。中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが出た半面、ローガン米ダラス連銀総裁やジェファーソンFRB副議長のハト派的な発言を受けてユーロ買い・ドル売りが入った。5時過ぎには1.0572ドル付近まで買われ、アジア時間に付けた日通し高値1.0574ドルに迫った。

・ユーロ円は4日ぶりに反落。中東情勢緊迫化で欧州株相場が軟調に推移するとリスク・オフの円買いが先行し、24時前に一時156.52円と日通し安値を更新した。
 ただ、FRB高官からハト派的な発言が相次ぐと安く始まった米国株相場が上昇に転じたため、リスク・オフの円買いは後退。5時過ぎには一時157.00円付近まで下げ渋った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。中東情勢の緊迫化を背景にリスク回避の売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。FRB高官からハト派的な発言が相次ぐと、米金融引き締めが長期化への過度な警戒感が後退し株買いを誘った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸した。

・米国債券相場はコロンブスデーのため休場となった。

・原油先物相場は大幅続伸。週末イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの大規模戦闘を嫌気し、週明けは窓を開けて上昇して始まった。先週の下げ幅をほぼ1日で戻し、一時87ドル台まで戻した。

・金先物相場は続伸。週末イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの大規模戦闘を嫌気し、週明けからリスク回避の動きが高まった。金先物は窓を開けて上昇して始まり、一時先月末以来となる1869ドル台まで上昇する場面もあった。

(中村)
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