欧州マーケットダイジェスト・10日 株大幅反発・ドル失速

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.76円(10日15時時点比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.61円(△0.50円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0594ドル(△0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:7628.21(前営業日比△136.00)
ドイツ株式指数(DAX):15423.52(△295.41)
10年物英国債利回り:4.426%(▲0.050%)
10年物独国債利回り:2.775%(△0.003%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
9月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
前月比                ▲0.1%     ▲0.8%
前年比                3.3%       4.8%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米10年債利回りが時間外取引で4.71%台まで低下幅を縮めると円売り・ドル買いが先行。21時前に一時149.10円と日通し高値を付けた。
 ただ、前日の高値149.24円が目先レジスタンスとして意識されると徐々に上値が重くなった。ボスティック米アトランタ連銀総裁が「これ以上の利上げは必要ないと考える」などと述べたことが相場の重しとなり、2時前には148.55円付近まで下押しした。米10年債利回りが4.61%台まで低下したこともドル売りを誘った。
 なお、前日にはローガン米ダラス連銀総裁が「米長期債利回りの急上昇は金融当局による追加利上げの必要性を減らす可能性がある」と述べたほか、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「追加的な金融引き締めが必要な程度を慎重に評価する段階にきている」との見解を示した。

・ユーロドルは底堅い動き。FRB高官らによる相次ぐハト派寄りの発言を受けて、米長期金利が低下すると全般ドル売りが先行。1時過ぎには一時1.0620ドルと日通し高値を更新した。
 なお、一部通信社が報じたところによると「欧州中央銀行(ECB)は不動産鑑定業者に対し、評価額算出方法の説明を求めた」と伝わったものの、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は伸び悩み。欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが先行。18時30分過ぎに一時157.98円と日通し高値を更新した。ただ、そのあとはドル円の下落につれた売りが出たため、やや上値が重くなった。2時30分前には157.55円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は大幅に反発。FRB高官が追加利上げに慎重な姿勢を示したことをきっかけに米金融引き締めが長く続くとの警戒感が和らぐと、米国株が底堅く推移。英株にも買いが波及した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株の上昇が目立ったほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株に買いが集まった。

・フランクフルト株式相場は大幅反発。FRB高官が追加利上げに慎重な姿勢を示したことをきっかけに米金融引き締め長期化への警戒感が和らぐと、投資家心理が改善し株買いが広がった。個別ではザランド(4.62%高)やザルトリウス(3.59%高)、RWE(3.57%高)などの上昇が目立ち、ダイムラー・トラック・ホールディング(0.73%安)などを除く37銘柄が上昇した。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

(中村)
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