東京為替見通し=ドル円、市場の目線は今晩の米CPIに

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。9月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに予想を上回ったことが支えとなり、149.33円まで上昇した。米経済指標の強い結果を受けてユーロドルは1.0583ドルまで下押したが、ユーロクロスでのユーロ買いも支えに1.0635ドルまで上値を伸ばした。米株高を受けたリスクオンの円売りが優勢となり、ユーロ円は158.47円まで強含んだ。

 本日の東京市場では本邦の9月国内企業物価指数の発表が予定されているが、結果が円相場の動意につながる可能性は低い。9月国内企業物価指数は国際的な原油価格の上昇や円安の影響もあり、前月比では3カ月連続でプラスになるも伸びは鈍化すると見込まれている。また、前年比では9カ月連続で伸び率の鈍化が予想されている。ドル円は、東京タイムで日中株価や時間外の米長期金利の動向を眺めながら振幅するも、市場の目線は今晩の9月米消費者物価指数(CPI)に向けられ手控えムードが強く、底堅さを維持しつつも149円前半では伸び悩む相場展開となりそうだ。

 昨日、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月19-20日分)では、FOMCは慎重に進む位置にあるほか、政策はデータに基づいて決定され、リスクバランスを考慮するとの見解で全参加者が一致したが、インフレの鈍化を継続させるため、景気抑制的な政策を当面維持すべきだとの認識が示された。9月米CPIは総合・コアともに前年比は8月から伸びがやや鈍化すると見込まれている。8月の米CPIは前年比+3.7%と伸びが2カ月連続で加速したものの、同コアは+4.3%と約2年ぶりの小幅な伸びにとどまった。最近、米連邦準備理事会(FRB)高官らの発言を受けて米長期金利の上昇が一段落し、市場では年内の追加利上げ期待が4割程度まで低下している。今晩の米CPIの結果がFRB政策変更への思惑につながる可能性が高く、結果次第では米長期金利の大幅変動に伴い、ドル相場も大きく動意づく可能性がある。

(金)
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