東京為替見通し=ドル円、底堅いも明日の米CPI待ちか 本日は中国インフレ指標の発表

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸した。143円前半で伸び悩んだが、NY午後に米株・米長期金利の低下幅縮小の動きも支えに143.49円まで日通しの高値を更新した。イタリア政府が銀行に超過利潤税を課すことを承認したとの報道でイタリア株中心に欧州株が軟調な動きとなり、ユーロドルは一時1.0929ドルまで下押した。ユーロ円は20時30分過ぎに156.35円まで安値を更新したが、安く始まった米国株の下げ幅縮小の動きも支えに157円前半に持ち直した。

 ドル円は東京タイムで引き続き株や日米金利動向の動きを眺めながらの動きとなるも、10日に今週の注目指標である米7月消費者物価指数(CPI)の発表を控え一方向に大きく傾きにくい。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方が根強く残されている一方で、日銀は7月会合で日銀は7月の27-28日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)運用の柔軟化を決定したものの、マイナス金利政策の解除などの金融政策正常化に向かるにはまだ時間がかかるとの見方が強まっている。そのため底堅い動きは続きそうだ。FRBは来年に利下げに転じ、日銀はいずれ金融政策の出口に向かうとの見方が多いものの、目先の日米金融政策をめぐっては不透明感が増しており、ドル円は当面指標結果や政策関係者の発言などで神経質に上下するか。

 本日の東京市場では中国の7月消費者物価指数(CPI)と同生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。CPIは前年比で2021年3月以来のマイナス水準が予想されており、結果次第でデフレ懸念が強まり、中国人民銀行(中央銀行)による追加利下げ観測が高まる可能性がある。中国の景気鈍化は織り込んでいるだけではなく、指標の弱い結果は政策期待感を強める一面もあり、指標結果に対する市場の反応は難しいところがあり、昨日の中国7月輸出入のさえない結果に市場反応は限られたが、本日もCPI・PPIの結果には注目したい。

(金)
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