東京為替見通し=ドル円、中国貿易収支を受けた株価の動向に注目

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。ダウ平均が一時430ドル超上昇し、リスク・オンの円売り・ドル買いも出て142.58円まで高値を更新した。クロス円全般が買い優勢となるなか、ユーロ円は156.85円まで強含んだ。ユーロドルは欧州時間に一時1.0965ドルまで下押したが、売り一巡後は徐々に買い戻しが進み、方向感に欠ける動きとなった。

 本日は東京タイムでは本邦の6月国際収支や、中国の7月貿易収支などの発表が予定されている。東京タイムでのドル円は株価や日米金利動向を眺めながらの動きが見込まれる。昨日の米株の堅調な動きを背景に日本株も底堅い動きが予想されるが、中国の7月輸出入の結果次第では中国国内と香港株を中心にアジア株に動意が付き、円相場がリスクオン・オフで反応し、オセアニア通貨を中心に為替相場に動きが見られる可能性がありそうだ。

 米連邦準備理事会(FRB)は7月会合で0.25%の利上げが決定され、最新の金利・経済見通しでは年内にあと1回の利上げが行われるとの見通しが示されている。ただ、このところの経済指標でインフレは予想より速いペースで鈍化しており、市場では年内にあと1回の利上げがあるかどうかに焦点が集まっている。その意味では10日に発表予定の米7月消費者物価指数(CPI)の結果が注目され、米CPIの発表まではドルが一方向に大きく傾きにくい。

 また、日銀の7月金融政策決定会合を通過し、円安の流れは変わっていない。先週末の米債利回りが急落したことを受けて昨日の本邦長期金利も低下し、日銀に動きは見られなかった。日銀は7月の27-28日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)運用の柔軟化を決定した以降、7月31日と8月3日に臨時の国債買い入れオペを実施した。内田日銀副総裁はYCC柔軟化措置において「為替市場を含めた金融市場のボラティリティーは重要な要素だった」と述べており、円安が続けばさらなる政策修正観測が強まる可能性はある。


(金)
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