NYマーケットダイジェスト・13日 株さえない・金利低下・原油急騰・スイスフラン高

(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.57円(前営業日比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.20円(▲0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0510ドル(▲0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:33670.29ドル(△39.15ドル)
ナスダック総合株価指数:13407.23(▲166.99)
10年物米国債利回り:4.61%(▲0.09%)
WTI原油先物11月限:1バレル=87.69ドル(△4.78ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1941.5ドル(△58.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
9月米輸入物価指数(前月比)     0.1%       0.6%・改
10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
                   63.0        68.1

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。中東情勢の緊迫化を背景に欧米株相場が軟調に推移すると、リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが優勢となった。市場では「中東の地政学リスクの高まりを背景に、世界の金融市場はリスク回避傾向を強めている」との声が聞かれた。
 米ミシガン大学が発表した消費者の期待インフレ率が1年先で3.8%、5年先で3.0%といずれも予想を上回ると、米長期金利が低下幅を縮小。全般ドル買いが加速し、24時過ぎに一時1.0496ドルと日通し安値を更新した。

・ドル円は4日ぶりに反落。中東情勢を巡る地政学リスクが一段と高まる中、欧州株相場が軟調に推移するとリスク・オフの円買いが先行。22時過ぎに一時149.46円と日通し安値を更新した。ミシガン大期待インフレ率の上振れをきっかけに149.73円付近まで下げ渋る場面もあったが、ユーロ円などクロス円の下落につれた売りが出たため戻りは鈍かった。4時過ぎには149.47円付近まで押し戻されている。

・スイスフランは全面高。対ドルでは一時0.9002スイスフラン、対ユーロでは0.9457スイスフラン、対円では166.12円まで値を上げた。パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスとイスラエル軍が戦闘を続ける中、イスラエル軍はガザの中心都市ガザ市の全住民に退避するよう求め、声明で「今後数日間、軍はガザ市で大規模な作戦を継続する」と通告した。週末を前に中東情勢の緊張が高まっていることから、安全通貨とされるスイスフランを買う動きが広がった。

・ユーロ円は続落。ユーロドルの下落につれた売りが出たほか、低調な株価を背景にリスク・オフの円買いが入った。2時30分過ぎには一時157.05円と本日安値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら反発。JPモルガン・チェースやシティ・グループ、ウェルズ・ファーゴなど、好決算を発表した金融株中心に買いが集まり、ダウ平均は一時320ドル超上昇した。同じく予想を上回る決算を発表したユナイテッドヘルス・グループも買われ、相場の押し上げ要因となった。ただ、中東情勢を巡る地政学リスクが高まる中、週末を控えたポジション調整目的の売りが出ると、指数は下げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。中東情勢を巡る地政学リスクが一段と高まる中、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。

・原油先物相場は4日ぶりに大幅反発。中東情勢の緊張の高まりを背景に、原油先物は4月以来の上げ幅を記録し、4日ぶりに大幅反発で引けた。また、ロシア産原油価格の上限規制に違反したとし、米国務省がアラブ首長国連邦とトルコに拠点を置く海運会社の米国内の資産を凍結したことも、原油価格の支えになった。

・金先物相場は大幅反発。パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスとイスラエル軍が戦闘を続ける中、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがレバノン国境付近でイスラエル軍を攻撃するなど中東情勢が緊迫化していることで、安全資産の金に買いが集まり大幅に反発した。

(中村)
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