欧州マーケットダイジェスト・18日 株安・金利上昇・スイスフラン高・ドル高

(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.78円(18日15時時点比△0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.02円(▲0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0550ドル(▲0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:7588.00(前営業日比▲87.21)
ドイツ株式指数(DAX):15094.91(▲156.78)
10年物英国債利回り:4.657%(△0.145%)
10年物独国債利回り:2.924%(△0.042%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
9月英消費者物価指数(CPI)
前月比                0.5%       0.3%
前年比                6.7%       6.7%
CPIコア指数(前年比)         6.1%       6.2%
9月英小売物価指数(RPI)
前月比                0.5%       0.6%
前年比                8.9%       9.1%
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                4.3%       4.3%
9月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                4.5%       4.5%
8月ユーロ圏建設支出
前月比                ▲1.1%     1.0%・改
前年比                ▲0.1%     1.2%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。東京時間に一時1.0594ドルと日通し高値を付けたものの、売り一巡後は徐々に弱含んだ。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時4.9255%前後と2007年7月以来の高水準を記録すると全般ドル買いが優勢に。前日の安値1.0533ドルを下抜けて一時1.0523ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.64まで上昇した。
 ただ、米20年債入札が「堅調」と受け止められると米長期金利が上昇幅を縮小。ユーロドルにも買い戻しが入り、1.0554ドル付近まで下げ渋った。
 なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日、「経済の強さが持続する場合、より高い金利が必要になる可能性が高い」と述べたほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「当面の間、制限的な金利を維持する必要」「金融政策の道筋はデータに依存する」などと発言。また、ボウマンFRB理事「FRBはインフレ率を2%に戻すことに重点を置いている」「インフレ率は低下してきたが、依然として高すぎる」などと語った。

・ドル円は小高い。米長期金利の上昇を受けて円売り・ドル買いが優勢になると、前日の高値149.85円を上抜けて一時149.89円と3日以来の高値を更新した。ただ、ユーロ円などクロス円の下落につれた売りが出たため、一本調子で上昇する展開にはならなかった。堅調な米国債入札を受けて、米10年債利回りが4.87%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重し。

・スイスフランは全面高。対ドルでは一時0.8954スイスフラン、対ユーロでは0.9450スイスフラン、対円では167.19円まで値を上げた。中東情勢の緊張が高まっていることから、安全通貨とされるスイスフランを買う動きが広がった。

・ユーロ円はさえない。中東情勢の緊迫化や米長期金利の上昇を背景に欧米株価が軟調に推移すると、リスク・オフの円買いが優勢となった。1時過ぎには一時157.69円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。中東情勢の悪化や米長期金利の上昇などが相場の重し。9月英消費者物価指数(CPI)コア指数が予想を上回ったことも投資家心理を冷やした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。中東情勢の緊迫化や米長期金利の上昇などが相場の重しとなり、軟調に推移した。個別ではボノビア(4.01%安)やザルトリウス(3.26%安)、メルハイデルベルク・マテリアルズ(2.91%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。英CPIの上振れを受けて英国債に売りが出た。

(中村)
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