NYマーケットダイジェスト・18日 株安・金利上昇・原油高・ドル高

(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.93円(前営業日比△0.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.97円(▲0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0536ドル(▲0.0041ドル)
ダウ工業株30種平均:33665.08ドル(▲332.57ドル)
ナスダック総合株価指数:13314.30(▲219.45)
10年物米国債利回り:4.91%(△0.08%)
WTI原油先物11月限:1バレル=88.32ドル(△1.66ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1968.3ドル(△32.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
9月米住宅着工件数         135.8万件    126.9万件・改
   建設許可件数         147.3万件    154.1万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日ぶりに反落。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時4.9255%前後と2007年7月以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行。前日の安値1.0533ドルを下抜けて一時1.0523ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.64まで上昇した。
 ただ、米20年債入札が「堅調」と受け止められると米長期金利が上昇幅を縮小。ユーロドルにも買い戻しが入り、1.0554ドル付近まで下げ渋る場面があった。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「ほとんどの地区では9月以降、経済活動にほとんど変化は見られなかった」「労働市場の逼迫は引き続き緩和した」「米経済の短期的見通しは安定、もしくは成長がやや軟化している」と指摘した。

・ドル円は小幅ながら続伸。米長期金利の上昇を受けて円売り・ドル買いが優勢となった。前日の高値149.85円を上抜けて一時149.94円と3日以来の高値を更新した。
 ただ、ユーロ円などクロス円の下落につれた売りが出たため、上昇のスピードは緩やかだった。心理的節目である150円に近づくと、政府・日銀による為替介入への警戒感も高まるようだ。

・ユーロ円は3日ぶりに反落。中東情勢の緊迫化や米長期金利の上昇を背景にダウ平均が一時400ドル近く下落すると、リスク・オフの円買いが優勢となった。1時過ぎに157.69円と日通し安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調。ポンド円は181.86円、豪ドル円は94.84円、NZドル円は87.68円、カナダドル円は109.28円、南アフリカランド円は7.85円、メキシコペソ円は8.18円まで値を下げた。
 ただ、スイスフラン円は下値が堅かった。中東情勢の緊張が高まっていることから、安全通貨とされるスイスフランを買う動きが広がり、一時167.19円まで上昇する場面があった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。米長期金利の上昇を受けて株式の相対的な割高感が意識されると売りが優勢となった。中東情勢を巡る緊張が高まっていることも、投資家心理を冷やし、指数は一時400ドル近く下落した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。対中輸出規制でアナリストが目標株価引き下げたエヌビディアがこの日も売られた。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。FRBが高金利を長期間維持するとの見方から、この日も売りが続いた。市場では「米財政の先行きに対する懸念も高まっている」との声が聞かれ、利回りは一時4.9255%前後と07年7月以来の高水準を付けた。

・原油先物相場は上昇。パレスチナ自治区ガザを巡り、イスラエルとアラブ諸国との溝が更に広がった。中東情勢の悪化を懸念した原油買いが時間外から強まり、一時89.80ドル台まで大幅に上昇。米国勢の参入後は調整売りに押されるも、米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計が発表されると再び堅調さを取り戻した。週間統計では、原油とガソリン在庫がともに一部予想より取り崩し幅が大きかった。

・金先物相場は大幅に続伸。パレスチナ自治区ガザの病院で大きな爆発があり、多数の犠牲者がでたことが報じられた。これを受けて中東の地政学リスクの高まりが更に意識され、安全資産の金に資金が向かった。先物は一時1975ドル台と9月1日以来の高値をつけている。その後、米10年債利回りが2007年7月以来の高水準を記録し、為替のドル高進行も重しとなって急ピッチで売り戻される場面はあったが、引けにかけて下値を切り上げた。

(中村)
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