ロンドン為替見通し=9月の独・英経済指標を見極めつつ、中東情勢に要警戒か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、9月独生産者物価指数や9月英小売売上高を見極めつつ、中東情勢関連のヘッドラインに警戒していく展開が予想される。

 9月独生産者物価指数(PPI)の予想は前月比+0.4%で、8月の同比+0.3%からの上昇が見込まれている。中東情勢が緊迫化した場合、原油価格の上昇は必至だと思われるため、ドイツ及びユーロ圏の物価上昇による景況感悪化、すなわち、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)の可能性に警戒しておきたい。

 9月英小売売上高(自動車燃料含む)の予想は前月比▲0.2%/前年比▲0.1%)、(自動車燃料除く)の予想は前月比▲0.4%/前年比▲0.2%となっており、前月比ベースでの悪化、前年比ベースでは改善が見込まれている。
 英国経済も原油価格が上昇した場合は、スタグフレーションへの警戒感が高まることで、中東情勢の行方には要警戒となる。

 中東では、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザで地上作戦の開始を準備していると報じられており、イスラエルのガラント国防相は兵士らに対して、「ここからガザは遠くに見えているが、近く内側から見ることになる」と述べており、大規模な地上侵攻を行う意図をあらためて示した。

 イスラエルが地上攻撃を始めた場合には、ハマスを支援するイランは参戦すると警告していることで、戦火は一気に拡大して第5次中東戦争が勃発するリスクが高まる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0640ドル(10/12高値)
・ユーロ円:159.76円(8/30高値)
・ポンドドル:1.2214ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:182.81円(10/17高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0496ドル(10/13安値)
・ユーロ円:157.85円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2037ドル(10/4安値)
・ポンド円: 181.05円(日足一目均衡表・基準線)



(山下)
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