ロンドン為替見通し=英国雇用統計と独・欧ZEW景況感指数に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開の中、9月の独・ユーロ圏のZEW景況感指数を見極める展開が予想される。

 14日のECB理事会に関しては、10会合連続の利上げが決まるとのタカ派的な見通しと9月据え置き、10月利上げというタカ派的な休止との見通しが拮抗している。

 9月独ZEW景況感指数の予想は▲15.0で、8月の▲12.3からの悪化が見込まれている。ドイツ経済は4-6月期(第2四半期)にゼロ成長を記録し、昨冬からのリセッション(景気後退)をかろうじて脱却している。しかし、7-9月期は依然として予断を許さない状況が続いており、独ZEW景況感指数のネガティブサプライズには警戒しておきたい。

 また、ユーロ圏の年末に向けたリセッション(景気後退)懸念が高まりつつあることで、9月ユーロ圏ZEW景況感指数のネガティブサプライズにも警戒しておきたい。

 欧州委員会の夏季経済見通しでは、ユーロ圏の2023年の実質域内総生産(GDP)は前年比0.8%増と予測し、5月の前回予測(+1.1%)から0.3ポイント下方修正している。

 ポンドドルは、8月の英雇用統計を見極めることになる。イングランド銀行による利上げ継続観測が後退していることで、売り圧力が強まりつつあり、英国の雇用情勢の悪化などのさらなる売り材料には警戒しておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0813ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:158.17円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2590ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:184.38円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0635ドル(5/31安値)
・ユーロ円:156.59円(9/11安値)
・ポンドドル:1.2430ドル(200日移動平均線)
・ポンド円: 182.69円(8/10安値)


(山下)
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