NYマーケットダイジェスト・20日 株安・金利低下・円小動き

(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.86円(前営業日比△0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.77円(△0.25円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0594ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:33127.28ドル(▲286.89ドル)
ナスダック総合株価指数:12983.81(▲202.36)
10年物米国債利回り:4.91%(▲0.08%)
WTI原油先物11月限:1バレル=88.75ドル(▲0.62ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1994.4ドル(△13.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
9月米財政収支         1710億ドルの赤字  893億ドルの黒字

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは小幅ながら続伸。米10年債利回りが一時4.9927%前後と2007年7月以来の高水準を記録するとユーロ売り・ドル買いが先行。21時30分前に1.0565ドルとアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。
 ただ、米10年債利回りが4.89%台まで低下すると全般ドル売りが優勢となり、2時30分前には一時1.0604ドルと日通し高値を付けた。もっとも、前日の高値1.0616ドルが目先レジスタンスとして意識されたため、上値も限定的だった。
 なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「インフレ率はかなり低下しており、今後も続くはず」と述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレ見通しのリスクは依然として上向き」「あと1回の利上げは自身の見解と一致」などと語った。

・ドル円は小反発したものの、動意は薄かった。植田和男日銀総裁が「賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現することを目指す」としたうえで、「粘り強く金融緩和を継続していく」と改めて表明したため円売りが出やすかった。21時30分前には一時149.99円と日本時間夕刻に付けた日通し高値に面合わせした。
 ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感は根強く、心理的節目である150円に迫る水準では足踏み状態となっている。NY時間の安値は2時過ぎに付けた149.78円で値幅は21銭程度と非常に小さかった。なお、今日の安値は夕刻に付けた149.69円で一日の値幅も30銭程度だった。

・ユーロ円は続伸。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出なかった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。中東でイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が激化する中、地上戦が近づいているとの観測が高まった。中東情勢悪化に対する警戒感から幅広い銘柄に売りが出た。FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測も相場の重し。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、5月31日以来の安値で取引を終えた。決算内容が嫌気された電気自動車のテスラへの売りが続いた。

・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに反発。FRBが高金利を長期間維持するとの見方から、この日も売りが先行。利回りは一時4.9927%前後と07年7月以来の高水準を記録した。ただ、売り一巡後は急速に買い戻しが入り上げに転じた。週末を控えたポジション調整目的の買いが入ったほか、市場では「中東情勢を巡る地政学リスクが一段と高まる中、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った」との声も聞かれた。

・原油先物相場は4日ぶりに反落。中東の地政学リスクへの警戒感が高まり続けるなか時間外から買いが強まり、90.70ドル台まで上値を伸ばした。しかしながらNY勢参入後からは、週末を控えた持ち高調整の売りで伸び悩む展開に。「欧米がイスラエルに対してガザ地区への地上侵攻を遅らせるように圧力をかけている」との一部報道も重しとなり、一時88ドル前半まで売られた。

・金先物相場は4日続伸。中東情勢の混迷が深まるなかでこの日もリスク回避目的の金買いが先行し、米国勢の本格参入後は2000ドル超えに成功した。もっともその後、7月31日高値に迫ったところで買いの勢いは止み、週末を控えた持ち高調整の売りに押される展開に。一部報道から、欧米がイスラエルに対してガザ地区への地上侵攻を遅らせるように圧力をかけていると伝わると、1985ドル付近まで上値を切り下げる場面があった。

(中村)
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