NY為替見通し=米長期金利の動向に振らされる展開続くか、序盤の10月米PMIに注目

 本日のニューヨーク為替市場では、まずは序盤に発表される米国の10月購買担当者景気指数(PMI)速報値で足もとの景気動向を探ることになる。市場予想は製造業PMIが49.5と前回から僅かに下振れし、同サービス部門が予想49.8と景況判断の境目となる50を下回ると見られている。そういったなか10月米総合PMIが予想50をもし割り込むようであれば、米景気の下向きリスクが警戒されて、米金利低下からドル売り圧力が再び強まるかもしれない。

 なお昨日の長期債利回りの低下は、米ヘッジファンドを率いる著名投資家が8月頃から空売りしていた30年債を買い戻したことを明らかにしたことがきっかけ。米国債の先物市場でショートが大幅に積み上がっていたこともあり、ポジションが傾いていた債券相場は一気にショートカバーに走った(利回りは低下)。

 ここからの金利動向についても、米10年債利回りの日足チャートを見ると高値更新後に上ヒゲを作った陰線で引けたため、昨日で上昇は一服というパターンはあり得そうだ。債券先物のネットポジションもまだショートだとすれば、今後は米経済の悪い指標に対してより一層相場は敏感になっていくだろう。

 ドル円に関しては、来週に日銀金融政策決定会合を控え、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策への思惑で上下する場面も出てくるか。欧州前半には一部通信社が、YCC再修正は議論の対象になり得るとする関係者の話を伝えた。ただ修正の必要性については、長期金利動向を会合間際まで見定めてから判断するとしている。このニュースヘッドラインでドル円は一瞬売られるも、直ぐに反発した。

想定レンジ上限
・ドル円、3日高値150.16円

想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・基準線148.74円



(小針)
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