NY為替見通し=日米金融政策待ちで動意薄、中東情勢には引き続き要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、日銀金融政策決定会合(10/30-31日)や米連邦公開市場委員会(FOMC)(10/31-11/1)を控えて動きづらい展開の中、中東の地政学リスクには引き続き警戒していく展開が予想される。

 28日、イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの戦闘が「第2段階」に入ったと表明し、地上侵攻は長く難しいものになると警告した。
 ハマスを支援しているイランは、イスラエルによる最近の動きで「皆が行動を起こさざるを得ないかもしれない」と警告した。イランのアブドラヒアン外相は、米国がイスラエルへの揺るぎない支持を続けるならば、新たな戦線が米国に対して開かれると警告した。

 本日も中東関連のヘッドラインに警戒していくことになる。

 経済指標では、10月独消費者物価指数(CPI)の速報値が発表され、前月比+0.2%、前年比+4.0%と予想されている。欧州のインフレ率は、鈍化傾向にあるものの、中東情勢が緊迫の度合いを増して第5次中東戦争に拡大して、石油ショックになれば、原油価格高騰でインフレも更新するため、予断を許さない状況が続くことになる。

 また、米国でのストライキの拡大状況やジョンソン米下院議長の下での米下院でのウクライナやイスラエルへの支援に対する採決に関するヘッドラインにも警戒しておきたい。
 
 ジョンソン米下院議長は、今週、イスラエルに対象を限定した支援法案が可決するとの見通しを示している。また、11月17日期限が切れるつなぎ予算について、政府機関の閉鎖を回避するために短期のつなぎ予算を成立させて、連邦予算に関する交渉は来年以降に持ち越す方針を示している。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、10月26日の高値の150.78円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、10月10日の安値の148.17円。


(山下)
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