NYマーケットダイジェスト・15日 株高・金利上昇・ドル高・円安

(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.36円(前営業日比△0.99円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.20円(△0.60円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0848ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:34991.21ドル(△163.51ドル)
ナスダック総合株価指数:14103.84(△9.46)
10年物米国債利回り:4.53%(△0.08%)
WTI原油先物12月限:1バレル=76.66ドル(▲1.60ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1964.3ドル(▲2.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   2.8%       2.5%
10月米小売売上高
前月比               ▲0.1%     0.9%・改
自動車を除く前月比          0.1%     0.8%・改
10月米卸売物価指数(PPI)
前月比               ▲0.5%     0.4%・改
前年比                1.3%      2.2%
食品とエネルギーを除くコア指数
前月比                0.0%     0.2%・改
前年比                2.4%      2.7%
11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数 9.1      ▲4.6
9月米企業在庫(前月比)        0.4%      0.4%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。前日の10月米消費者物価指数(CPI)に続き、10月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると円買い・ドル売りが先行。前日の安値150.16円を下抜けて一時150.06円まで値を下げた。
 ただ、同時に発表された10月米小売売上高や11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことから、そのあとは一転ドル買い戻しが優勢に。米長期金利の上昇に伴う買いも入り、6時過ぎには一時151.42円と日通し高値を更新した。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.43%台から4.55%台まで急伸した。

・ユーロドルは4日ぶりに反落。米インフレ指標の下振れを受けて一時本日高値となる1.0886ドルまで上昇したものの、前日の高値1.0887ドルを上抜けることは出来なかった。米小売指標の上振れで米長期金利が大幅に上昇したこともユーロ売り・ドル買いを促し、24時前に一時1.0832ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は4日続伸。欧州市場序盤に一時163.07円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は底堅く推移した。欧米株価の上昇に伴うリスク・オンの円売りが優勢となり、取引終了間際に一時164.23円と2008年8月以来の高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円の上昇も目立った。豪ドル円は98.59円と22年9月以来の高値を付けたほか、NZドル円は91.20円と15年4月以来の高値を更新した。また、スイスフラン円は一時170.50円と連日で史上最高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸。10月米PPIが予想を下回り、インフレの鈍化が示されると、米利上げ終了観測が一段と高まり買いが優勢となった。予想を上回る四半期決算を発表したターゲットが急伸したことも相場を下支えした。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続伸。米長期金利の大幅上昇が相場の重しとなり、指数は下げに転じる場面もあった。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。10月米PPIは予想を下回ったものの、10月米小売売上高や11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回ったことで債券売りが優勢となった。前日に大幅に上昇したあとだけに利益確定目的の売りが出やすい面もあった。

・原油先物相場は下落。国際エネルギー機関(IEA)が明らかにした見通し「今年の米国の産油量は過去最大となるだろう」を受け、売りが先行した。米エネルギー省(EIA)発表の週間在庫統計後は売り買いが交錯したものの、一部予想より原油の積み増し幅拡大が重しとなって終盤は下値を試す展開となった。

・金先物相場は3日ぶりに小幅に反落。10月米PPIは市場予想を下回ったものの、予想比で上振れた同月小売売上高に債券市場は反応して米・中長期金利は上昇。金利を生まない金にとっては重しなり、一時1960ドルを割り込んだ。

(中村)
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