NYマーケットダイジェスト・21日 株安・金利低下・ドル買い戻し

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.39円(前営業日比横ばい)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.91円(▲0.41円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0911ドル(▲0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:35088.29ドル(▲62.75ドル)
ナスダック総合株価指数:14199.98(▲84.55)
10年物米国債利回り:4.39%(▲0.03%)
WTI原油先物1月限:1バレル=77.77ドル(▲0.06ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2001.6ドル(△21.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
10月米中古住宅販売件数
前月比                ▲4.1%     ▲2.2%・改
年率換算件数             379万件     395万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は横ばい。日本時間夕刻に一時147.15円と9月14日以来の安値を付けたものの、NY市場では買い戻しが優勢となった。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いのフローが観測されたほか、低調な米10年物インフレ連動債(TIPS)入札や米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨をきっかけに米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となった。4時過ぎには一時148.60円と日通し高値を付けた。ただ、米長期金利が低下に転じると上値が重くなった。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した10月31日-11月1日分のFOMC議事要旨では「当局者全員が金利について慎重に進めることに同意」としながらも、「インフレの進展が不十分な場合、FRBはさらなる引き締めを検討」「大半の当局者はインフレの上振れリスクを認識」との見解が示された。

・ユーロドルは4日ぶりに反落。アジア市場では一時1.0965ドルと8月11日以来の高値を付けたものの、NY市場に入るとさえない展開となった。米感謝祭を控えて、ポジション調整目的の売りが出たほか、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測された。低調な米10年TIPS入札やFOMC議事要旨をきっかけにドル買いが強まると、一時1.0900ドルと日通し安値を付けた。

・ユーロ円は4日続落。欧州市場序盤に161.25円まで売られた影響が残ったものの、NY市場に限れば、ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出なかった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。米感謝祭を前に持ち高調整目的の売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りも出た。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落。市場では「エヌビディアの決算発表を控えて、積極的な買いは手控えられた」との声が聞かれた。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。低調な米10年TIPS入札やFOMC議事要旨をきっかけに売りが強まる場面もあったが、引けにかけて持ち直した。米利上げ打ち止め観測の高まりを背景に買いが入りやすい地合いだ。

・原油先物相場は3日ぶりに反落。26日に行われる石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合で減産幅拡大との思惑が支えとなり、続伸していた原油先物価格だが、本日は利食いの売りが上値を抑えた。一時前日比でプラス圏を回復する場面もあったが、引けにかけてはドルが買い戻されていたことで、ドルで取引される原油先物には割高感も生じたことも重しになり3日ぶりに反落して引けた。

・金先物相場は3日ぶりに反発。FOMC議事要旨の発表を控え、米長期金利が低下したことで、金利のつかない金先物には買いが集まり3日ぶりに反発した。もっとも、10年TIPSの入札が低調だったことがわかると、米金利の上昇に伴い金先物も上げ幅を縮めて引けている。

(中村)
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