欧州マーケットダイジェスト・14日 株まちまち・金利低下・ユーロ高

(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=141.60円(14日15時時点比△0.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=155.83円(△1.77円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1005ドル(△0.0110ドル)
FTSE100種総合株価指数:7648.98(前営業日比△100.54)
ドイツ株式指数(DAX):16752.23(▲13.82)
10年物英国債利回り:3.789%(▲0.041%)
10年物独国債利回り:2.119%(▲0.054%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
11月スイス生産者輸入価格(前月比)  ▲0.9%      0.2%
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
                 1.75%で据え置き   1.75%
英中銀(BOE)、政策金利発表    5.25%で据え置き   5.25%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利   4.50%で据え置き   4.50%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り政策金利を4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「金利水準は十分に長い期間維持される必要がある」「インフレは短期的には一時的に上昇する可能性がある」と指摘した。
 また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「経済成長へのリスクは依然下方向に傾いている」としながらも、「12月のインフレはベース効果で加速する可能性が高い」「絶対に警戒を引き下げるべきではない」「利下げについては全く議論しなかった」などと発言した。
 ECBが利下げの可能性を示唆せず、逆に物価上昇圧力は依然として強いと主張したことで全般ユーロ買いが広がると、3時前に一時1.1009ドルと11月29日以来の高値を付けた。なお、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げについて議論をした」と明らかにした。

・ポンドドルはしっかり。英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利の据え置きを発表し、声明ではインフレの動向次第で追加の利上げ余地があると慎重な姿勢を残した。BOEの発表を受けてポンド買い・ドル売りの動きが強まると、一時1.2794ドルと8月22日以来の高値を付けた。

・ドル円はもみ合い。アジア時間に一時140.97円と7月31日以来の安値を付けた反動で買い戻しが先行。NY時間発表の11月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると一時142.28円付近まで持ち直した。
 ただ、米利下げ観測が高まる中、戻りを売りたい向きは多く上値は重かった。対ユーロ中心にドル売りが強まった影響も受けて、141.40円付近まで下押しした。

・ユーロ円は底堅い。アジア時間に一時153.87円まで売り込まれた反動で買い戻しが先行。ECBの利下げ観測が後退する中、全般ユーロ買いが優勢になると一時156.01円と本日高値を付けた。
 なお、事情に詳しい関係者の話として「ECB当局者は利下げは市場の見込みよりも遅くなるとの見解でほぼ一致した」と伝わった。 

・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが優勢となったものの、引けにかけてはやや伸び悩んだ。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は小幅ながら3日続落。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、終盤失速した。ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「利下げについて議論しなかった」と話したことが株売りを誘った。個別ではハノーバー再保険(5.72%安)やミュンヘン再保険(5.71%安)、ドイツテレコム(3.61%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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