欧州マーケットダイジェスト・19日 株高・金利低下・円下げ渋り

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.83円(19日15時時点比△0.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.85円(△1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0974ドル(△0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:7638.03(前営業日比△23.55)
ドイツ株式指数(DAX):16744.41(△93.86)
10年物英国債利回り:3.652%(▲0.043%)
10年物独国債利回り:2.016%(▲0.063%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比                 2.4%      2.4%
11月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比                 3.6%      3.6%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決めたことを受けて、マイナス金利政策の解除への警戒感が後退すると円売り・ドル買いが先行。植田和男日銀総裁が定例記者会見で「チャレンジング発言は仕事の取組み姿勢一般に対するもの」「1月会合での政策修正の可能性について、そんなに多くはない」と述べ、市場の早期マイナス金利解除に対する思惑を否定したことも相場の支援材料となった。20時前には一時144.96円まで値を上げた。
 ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。米金融政策が2024年の早いうちに利下げに転じるとの観測は根強く、ドルを売る動きが広がった。1時30分過ぎには143.53円付近まで下押しした。
 なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁は利下げの可能性について、「予想通りインフレ率が低下すれば米連邦準備理事会(FRB)は適切に対応する」との見解を示した。

・ユーロドルは堅調。FRBが24年の早期に利下げに転じるとの観測が根強い中、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると、一時1.0987ドルと日通し高値を付けた。

・ユーロ円は伸び悩み。20時前に一時158.57円と本日高値を付けたものの、1時30分過ぎには157.60円付近まで上げ幅を縮めた。ドル円につれた動きとなった。

・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株相場や本日の日本株相場の上昇を受けて、英株にも買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。

・フランクフルト株式相場は6日ぶりに反発。前日の米国株相場や本日の日本株相場が上昇すると、独株にも買いが波及した。前日までに5日続落した反動で押し目買いなども入った。個別ではザルトリウス(3.99%高)やザランド(3.35%高)、シーメンス(2.80%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。ビルロワドガロー仏中銀総裁が「利上げ局面は終わった」「24年のある時点で利下げがあるだろう」と発言したことが意識された。

(中村)
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