欧州マーケットダイジェスト・28日 株安・金利上昇・円荒い値動き

(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=141.21円(28日15時時点比△0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.39円(▲0.43円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1073ドル(▲0.0036ドル)
FTSE100種総合株価指数:7722.74(前営業日比▲2.21)
ドイツ株式指数(DAX):16701.55(▲40.52)
10年物英国債利回り:3.493%(△0.057%)
10年物独国債利回り:1.944%(△0.049%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。米国のインフレ鈍化が鮮明になる中、米連邦準備理事会(FRB)が来年前半にも利下げに転じるとの観測も引き続きドル売りを促し、0時30分過ぎには一時140.25円と7月28日以来5カ月ぶりの安値を付けた。
 ただ、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いのフローが観測されると141.45円付近まで急速に持ち直した。米7年債入札後に米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.84%台まで上昇したことも相場を下支えした。
 年末年始を控えて取引参加者が少なく、市場流動性が低下。薄商いの中、値が振れやすい面もあった。

・ユーロドルは頭が重かった。米金利先安観などを背景にドル売りが先行すると一時1.1139ドルと7月27日以来約5カ月ぶりの高値を付けたものの、買い一巡後は利食い売りなどが優勢となり下げに転じた。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも相場の重しとなり、3時過ぎには一時1.1057ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は156円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると荒い値動きとなった。ドル円が下値を試したタイミングで156.00円を下抜けると一時155.83円まで下落。そのあとはドル円と同様にロンドン・フィキシングに絡んだ買い戻しが急速に進み、156.83円まで持ち直した。
 もっとも年末で流動性が薄い中、無理やり上昇した分だけ反動も大きく、すぐに失速。2時前には156.20円付近まで押し戻された。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに小反落。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、すぐに失速。そのあとは新規材料に乏しい中、前日終値付近でのもみ合いに終始した。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株は買われた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが先行したものの、新規材料に乏しい中、持ち高調整の売りが出ると下げに転じた。個別ではシーメンス・エナジー(0.97%安)やポルシェ・オートモービル・ホールディング(0.88%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(0.86%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。年末年始を控えてポジション調整目的の売りが出た。

(中村)
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