欧州マーケットダイジェスト・21日 株安・ドル安・円高

(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.27円(21日15時時点比▲0.69円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.27円(▲0.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0986ドル(△0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:7694.73(前営業日比▲20.95)
ドイツ株式指数(DAX):16687.42(▲45.63)
10年物英国債利回り:3.529%(△0.001%)
10年物独国債利回り:1.964%(▲0.007%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
12月仏企業景況感指数         98         97

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重い。欧州勢参入直後は円売り・ドル買いが優勢となり一時143.40円付近まで上げたものの、オセアニア時間に付けた日通し高値143.62円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
 NY市場に入り、低調な米経済指標が相次ぐと米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時3.8268%前後と7月24日以来約5カ月ぶりの低水準を記録。全般ドル売りが優勢となり、一時142.05円と日通し安値を更新した。
 なお、米商務省が発表した7-9月期米国内総生産(GDP)確定値は年率換算で前期比4.9%増と改定値の5.2%増から下方修正され、予想の5.2%増を下回った。米経済活動の3分の2超を占める個人消費も3.1%増と予想の3.6%増を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数も2.0%上昇と予想の2.3%上昇を下回った。また、12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数も▲10.5と予想の▲3.0より弱い結果となった。

・ユーロドルは底堅い。日本時間夕刻に一時1.0935ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0930ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。低調な米経済指標が相次いだことで、米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが加速し、22時30分過ぎに一時1.1002ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだ。14日の高値1.1009ドルや11月29日の高値1.1017ドルがレジスタンスとして意識された面もあった。

・ユーロ円は弱含み。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出た。1時過ぎには一時156.13円と日通し安値を更新した。

・トルコリラ円は軟調。ドル円の下落につれた円買い・リラ売りが入り、一時4.86円と日通し安値を更新した。
 なおトルコ中銀はこの日、政策金利を現行の40.00%から42.50%に引き上げることを決めたと発表。市場予想通りの結果となった。声明では必要な限り引き締め策の継続を表明するとともに引き締めペースを緩め、早期に金融引き締めサイクルを完了することを明らかにした。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。前日の米国株相場の下落を受けて売りが先行。前日までの上昇による高値警戒感から売りが出た面もあった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続落。前日の米国株相場の下落を受けて売りが先行したものの、本日の米国株が反発して始まると独株にも買い戻しが入ったため下げ渋った。個別ではザルトリウス(2.40%安)やポルシェ・オートモービル・ホールディング(1.33%安)、SAP(1.16%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。欧州中央銀行(ECB)が来年利下げに動くとの観測が根強く、独国債に買いが入った。独10年債利回りは一時1.941%前後と3月20日以来約9カ月ぶりの低水準を付けた。

(中村)
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