NY為替見通し=ドル円、米長期金利の動向を見定めながらの取引

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米長期金利の動向を見定めながらの取引か。既に欧州序盤から、上げ幅を拡大した米10年債利回りに後押しされて142円後半まで上値を伸ばしている。

 NY時間のイベントとしては序盤に米リッチモンド連銀総裁の講演、その後にISM製造業景気指数やJOLTS求人件数などが発表予定。また午後(日本時間4日未明)になるが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表も控えている。

 バーキン米リッチモンド連銀総裁は先月下旬、利下げに関する質問に対し「予想通りインフレ率が低下すればFRBは適切に対応する」と述べた。同総裁が金利引き下げに積極的とは言い切れないものの、「利下げ否定せず」とのスタンスとは思われる。本日に関しては、今後の政策に向けたデータが出揃っていない中で昨年と同じ様な口調が予想される。

 12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数は市場予想47.1と前回からやや改善される見込み。ただし昨日の12月製造業PMI改定値が速報値から悪化したこともあり、ISMが予想に届かない場合も想定しておきたい。

 11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は885.0万件と前回値より増加予想。しかしながら10月分の873.3万件は2021年3月以来の低水準であり、予想に沿った結果であっても同指標の縮小傾向に変わりなしとも言えそうだ。明日には12月ADP全米雇用報告、明後日には同月米雇用統計を控えるなかで、JOLTSで一喜一憂はしないほうが良いかもしれない。

 日本時間4日4時に公表される12月12-13日開催分のFOMC議事要旨では、来年の利下げについてどのような議論がなされたかが注目される。市場が金利低下に前のめり過ぎなのは気になるところだ。

想定レンジ上限
・ドル円、143.10円台の200日移動平均線を超えると先月21日高値143.62円。

想定レンジ下限
・ドル円、本日安値141.86円や昨日NY時間の下押し水準141.50円。


(小針)
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