NY株見通し-今週は物価指標や大手金融機関の決算に注目

 今週のNY市場は物価指標や大手金融機関の決算に注目。先週はダウ平均が0.59%安、S&P500が1.52%安、ナスダック総合が3.25%安と主要3指数がそろって10週ぶりに反落した。ナスダック総合の下落率は昨年9月以来の大きさとなった。前週までに主要3指数が9週続伸したことで過熱感が強まったことに加え、米10年債利回りが昨年末の3.86%から一時4.10%台まで上昇したことや、アップルなどのハイテク・ジャイアントに利益確定売りが強まったことが相場の重しとなった。アップルはバークレイズとパイパー・サンドラーが投資判断を引き下げたことや、司法省が独禁法違反で提訴する可能性があると報じられたことで週間で5.90%安となった。

 今週は利下げ開始時期の見通しを巡り木曜日発表の米12月消費者物価指数 (CPI)や金曜日発表の米12月生産者物価指数 (PPI)に注目が集まるほか、金曜日から発表がスタートする大手金融機関の第4四半期決算発表が焦点となりそうだ。12月CPIの市場予想は変動の大きい食品、エネルギーを除くコア指数が前月比+0.2%、前年比+3.8%とそれぞれ11月分の+0.3%、+4.0%から鈍化が予想されている。先週末の米12月雇用統計が予想より強い結果となったことでCMEのフェド・ウォッチが示す3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は昨年末の88%から64%に低下したが、12月CPIが予想通りの鈍化となれば、早期利下げ期待が再び高まることになりそうだ。今週の経済指標は12月CPI、12月PPIのほか、12月NFIB中小企業楽観度指数、11月貿易収支、新規失業保険申請件数など。今週からスタートする第4四半期決算発表は水曜日にメトラートーレド、金曜日に JPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、ブラックロック、バンクオブニューヨークメロン、ユナイテッドヘルスグループ、デルタ航空など。

 今晩の米経済指標・イベントは12月雇用傾向指数、11月消費者信用残高など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:1月8日、14:00)
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