ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、反発

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は144.48円と前営業日NY終値(144.23円)と比べて25銭程度のドル高水準となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.05%台から3.99%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。23時過ぎに一時143.65円付近まで下押しした。
 ただ、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると強含んだ。アジア時間に付けた日通し安値かつ200日移動平均線が位置する143.42円が重要なサポートとして意識された面もあり、4時前には一時144.62円と日通し高値を更新した。

 ユーロドルは反落。終値は1.0931ドルと前営業日NY終値(1.0950ドル)と比べて0.0019ドル程度のユーロ安水準だった。欧州時間発表の11月独鉱工業生産が予想を下回ったことを受けて、NY市場でもユーロ売り・ドル買いが進行。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、前日の安値1.0923ドルを下抜けて一時1.0911ドルと日通し安値を付けた。その後の戻りも1.0940ドル付近にとどまった。
 なお、センテノ・ポルトガル中銀総裁は「欧州中央銀行(ECB)は最近の想定よりも早期に利下げを実施し、5月まで決断を待つ必要はない」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「インフレがECBの目標である2%にしっかりと持続的に定着すれば、年内に利下げが実施される」などと話した。

 ユーロ円はほぼ横ばい。終値は157.94円と前営業日NY終値(157.93円)と比べて1銭程度のユーロ高水準。欧州株相場の下落を背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行すると、23時過ぎに一時157.21円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出ると、4時前に158.00円付近まで値を戻した。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは乱高下。米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物投資型の上場投資信託(ETF)を承認したと伝わると買いが先行。対ドルで一時4万7914ドル前後まで上昇した。ただ、SECが「ビットコインETFを承認した事実はない」と表明すると一転売りが優勢に。一時4万5021ドル前後まで急落した。
 なお、ゲンスラーSEC委員長は「SECのソーシャルアカウントが不正使用された」と説明した。

本日の参考レンジ
ドル円:143.42円 - 144.62円
ユーロドル:1.0911ドル - 1.0966ドル
ユーロ円:157.21円 - 158.01円

(中村)
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