欧州マーケットダイジェスト・10日 株小動き・金利上昇・円安・ユーロ高

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.61円(10日15時時点比△0.83円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.69円(△1.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0967ドル(△0.0035ドル)
FTSE100種総合株価指数:7651.76(前営業日比▲32.20)
ドイツ株式指数(DAX):16689.81(△1.45)
10年物英国債利回り:3.819%(△0.037%)
10年物独国債利回り:2.212%(△0.024%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
11月仏鉱工業生産
前月比                0.5%       ▲0.3%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は上値を試す展開だった。厚生労働省が東京時間に発表した2023年11月の毎月勤労統計調査で、物価変動の影響を除いた実質賃金が20カ月連続で減少したことが分かると、日銀の早期政策修正観測が後退。欧米市場に入っても円を売る動きが続いた。日経平均先物の上昇を背景にリスク選好の円売り・ドル買いも出た。1時30分過ぎには一時本日高値となる145.83円まで上昇し、5日の12月米雇用統計発表直後に付けた高値145.97円に迫った。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比360円高の3万4810円まで買われる場面があった。

・ユーロドルは底堅い動き。日本時間夕刻に一時1.0923ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0911ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けて全般ユーロ買いが強まると一時1.0969ドルと日通し高値を更新した。シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が「インフレの上振れリスクがあるため、警戒を続ける必要」「利下げに関する議論は時期尚早」との見解を示したこともユーロ買いを促した。
 なお、ユーロ豪ドルは1.6392豪ドル、ユーロNZドルは1.7623NZドル、ユーロポンドは0.8621ポンド、ユーロカナダドルは1.4681カナダドル、ユーロスイスフランは0.9340スイスフランまで上昇した。

・ユーロ円はしっかり。日銀の早期政策修正観測が後退する中、全般円売りが優勢になると一時159.79円と昨年12月4日以来約1カ月ぶりの高値を更新した。ロンドン・フィキシングにかけて全般ユーロ買いが強まった影響も受けた。

・ロンドン株式相場は続落。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値下がりし、相場の重しとなった。HSBCやバークレイズなど金融株も売られ、指数を押し下げた。

・フランクフルト株式相場はほぼ横ばい。新規の取引材料に乏しく、前日終値付近でのもみ合いが続いた。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(2.30%高)やシーメンス・エナジー(2.00%高)などの上昇が目立った半面、ザルトリウス(2.59%安)やバイエル(2.35%安)などの下落が目立った。

・欧州債券相場は下落。シュナーベルECB専務理事の発言を材料に独国債に売りが出た。

(中村)
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