欧州マーケットダイジェスト・19日 株小動き・ポンド安

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.12円(19日15時時点比▲0.53円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.30円(▲0.43円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0889ドル(△0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:7461.93(前営業日比△2.84)
ドイツ株式指数(DAX):16555.13(▲12.22)
10年物英国債利回り:3.929%(▲0.001%)
10年物独国債利回り:2.342%(▲0.007%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
12月独生産者物価指数(PPI)
前月比                ▲1.2%     ▲0.5%
12月英小売売上高(自動車燃料含む)
前月比                ▲3.2%     1.4%・改
前年比                ▲2.4%     0.2%・改
12月英小売売上高(自動車燃料除く)
前月比                ▲3.3%     1.5%・改
前年比                ▲2.1%     0.5%・改
12月スイス生産者輸入価格(前月比)  ▲0.6%     ▲0.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ポンドドルは軟調だった。12月英小売売上高が前月比▲3.2%/前年比▲2.4%と予想の前月比▲0.5%/前年比1.1%を大きく下回り、自動車燃料除く数値が前月比▲3.3%/前年比▲2.1%と予想の前月比▲0.6%/前年比1.3%より弱い内容だったことが伝わると全般ポンド売りが先行。米長期金利の上昇に伴うポンド売り・ドル買いも出て一時1.2661ドルと日通し安値を更新した。また、ユーロポンドは0.8593ポンド、ポンド円は187.41円までポンド安に振れた。

・ドル円は下げ渋った。東京時間に一時148.80円と昨年11月28日以来の高値を付けたものの、同日高値148.83円がレジスタンスとして意識されると失速した。来週22-23日の日銀金融政策決定会合を前にポジション調整目的の売りも出て、一時147.84円と日通し安値を更新した。
 ただ、前日の安値147.66円が目先サポートとして働くとじりじりと下値を切り上げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇に転じ、一時4.1957%前後と昨年12月13日以来の高水準を記録したことも相場を下支えした。24時過ぎには148.53円付近まで値を戻した。
 グールズビー米シカゴ連銀総裁が「インフレに関して良い進展があれば、それを政策金利に反映させなければならない」としながらも、「インフレ抑制という職務を完遂する前に、何か約束することではない」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制したこともドル買いを誘った。

・ユーロドルは持ち直した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いがじわりと強まると、23時30分過ぎに一時1.0866ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0847ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米ミシガン大学が公表した1月米消費者調査で、消費者態度指数(速報値)は予想を上回った一方、消費者の期待インフレは予想を下回った。米長期金利が上昇幅を縮小するとともにユーロ買い・ドル売りが入り、2時30分過ぎには1.0893ドルと日通し高値を更新した。

・ユーロ円は東京時間に一時161.86円と昨年11月30日以来の高値を付けたものの、欧州時間に入ると一転下落。19時30分前には一時160.82円と日通し安値を更新した。ただ、前日の安値160.65円がサポートとして働くと徐々に買い戻しが入り、24時過ぎには161.48円付近まで持ち直している。ドル円と似た動きとなった。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。12月英小売売上高が予想以上に悪化したことを受けて売りが出たものの、外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業を中心に買いが入り相場を下支えした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値を上げた半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値を下げた。

・フランクフルト株式相場は小反落。中国景気の先行き不透明感や他の欧州株相場の下落が投資家心理を冷やし、株売りを誘った。個別ではポルシェ・オートモービル・ホールディング(1.79%安)やコメルツ銀行(1.73%安)、シーメンス・ヘルシニアーズ(1.55%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は小幅上昇。

(中村)
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