NYマーケットダイジェスト・29日 NYダウ史上最高値・金利低下・ドル失速

(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.50円(前営業日比▲0.65円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.80円(▲0.99円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0833ドル(▲0.0020ドル)
ダウ工業株30種平均:38333.45ドル(△224.02ドル)
ナスダック総合株価指数:15628.05(△172.69)
10年物米国債利回り:4.07%(▲0.06%)
WTI原油先物3月限:1バレル=76.78ドル(▲1.23ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2044.6ドル(△8.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。対ユーロなどでドル買いが進むと円に対してもドル買いが先行し、22時30分前に148.09円付近まで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。
 NY序盤はユーロ円やポンド円など欧州のクロス円の下落につれた円買いが目立った。その後しばらくは147円台半ばでのもみ合いが続いていたが、米財務省が第1四半期の借り入れ予想額を従来の8160億ドルから7600億ドルに引き下げたと伝わると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.05%台まで低下したため、全般ドル売りが活発化。前週末の安値147.46円を下抜けて一時147.26円まで値を下げた。

・ユーロドルは小反落。欧州中央銀行(ECB)による早期利下げ観測が高まる中、欧州債利回りの低下に伴うユーロ売り・ドル買いが先行。1時過ぎに一時1.0796ドルと昨年12月13日以来の安値を付けた。
 ただ、NY午後に入ると急速に下げ渋った。米財務省が第1四半期の借り入れ予想額を下方修正すると米長期金利が大幅に低下し、全般ドル売りが進行。5時30分前には1.0841ドル付近まで下げ幅を縮めた。

・ユーロ円は反落。ECBの早期利下げ観測が強まる中、円買い・ユーロ売りが優勢になると一時159.42円と本日安値を付けた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。米長期金利が低下したことで、株式の相対的な割高感が薄れ、株買いが広がった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、2022年1月以来2年ぶりの高値で取引を終えた。米長期金利が大幅に低下したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には買いが集まった。

・米国債券相場で長期ゾーンは反発。欧州債相場の上昇を受けて米国債にも買いが先行。米財務省が第1四半期の借り入れ予想額を下方修正すると、需給悪化の懸念が後退し買いが優勢となった。

・原油先物相場は4日ぶりに反落。中国の景気減速懸念が高まるなか、需要減を見越した売りが優勢となった。

・金先物相場は反発。中東情勢の緊迫化を受けて安全資産としての金需要が高まった。米長期金利が低下したことも金利を生まない金の買いにつながった。

(中村)
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