NYマーケットダイジェスト・31日 株安・金利低下・円高・ドル買い戻し

(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.92円(前営業日比▲0.69円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.95円(▲1.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0818ドル(▲0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:38150.30ドル(▲317.01ドル)
ナスダック総合株価指数:15164.01(▲345.89)
10年物米国債利回り:3.91%(▲0.12%)
WTI原油先物3月限:1バレル=75.85ドル(▲1.97ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2067.4ドル(△16.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の荒い値動きの中で、5時前に一時146.01円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は急速に買い戻しが進み、5時30分過ぎに147.44円付近まで下げ渋った。
 この日発表された1月ADP全米雇用報告や10-12月期米雇用コスト指数、1月米シカゴ購買部協会景気指数が軒並み予想を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。市場では「月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買いのフローが入った」との指摘があり、軟調に推移した。
 その後、米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では雇用や物価について「リスクのバランスが改善している」と評価したほか、前回までは追加の引き締め策を決定する際の条件を記していたが、今回はその表現を外し「追加利上げの可能性が極めて低くなった」ことを示唆した。ただ、「インフレが持続的に2%に向かっているとの確信が深まるまで、利下げは適切ではない」との見解を示し、FRBがすぐに利下げに転じるという市場の見方をけん制する表現を新たに盛り込んだ。
 加えて、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で「適切であれば金利を長期間維持する用意がある」「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」などと発言。FRBの早期利下げ観測が後退し、ドルを買い戻す動きが広がった。

・ユーロドルも反落。この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。前日の高値1.0857ドルを上抜けて一時1.0887ドルまで上値を伸ばした。
 ただ、FOMC声明やパウエルFRB議長の会見を受けて米早期利下げ観測が後退すると、ドル買い戻しが優勢に。5時30分過ぎに一時1.0795ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は大幅反落。21時頃に一時160.27円と日通し高値を付けたものの、対ドル中心に円が全面高の展開になると大幅に値を下げた。米国株相場や日経平均先物の急落に伴うリスク・オフの円買いも入り、5時前には158.57円と日通し安値を更新した。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比580円安の3万5790円まで大幅に下落した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反落。FOMC声明で早期の利下げに慎重な見方が示されたほか、パウエルFRB議長が会見で「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」と発言すると、FRBの早期利下げ観測が後退し株売りが優勢となった。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落。決算内容が嫌気されたマイクロソフトやアルファベット、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などに売りが集まった。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。低調な米経済指標が相次いだことで買いが優勢となった。FOMC後に米早期利下げ観測が後退すると売りが強まる場面もあったが、売りは長続きしなかった。市場では「月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った」との声も聞かれ、引けにかけて上げ幅を広げた。

・原油先物相場は反落。中国の景気悪化懸念から需要減を警戒した売りが強まった。EIA週間在庫統計で原油が予想外の積み増しとなったことも重しとなった。

・金先物相場は続伸。低調な米経済指標が相次ぎ、外国為替市場でドル安が進むとドル建てで取引される金に買いが入った。ただ、FOMC後にパウエルFRB議長が3月利下げを否定すると時間外取引で急速に上げ幅を縮めている。

(中村)
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