欧州マーケットダイジェスト・1日 株安・金利低下・ドル安

(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=146.35円(1日15時時点比▲0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.12円(△0.47円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0872ドル(△0.0070ドル)
FTSE100種総合株価指数:7622.16(前営業日比▲8.41)
ドイツ株式指数(DAX):16859.04(▲44.72)
10年物英国債利回り:3.746%(▲0.048%)
10年物独国債利回り:2.149%(▲0.017%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年比                2.8%       2.9%
1月ユーロ圏HICPコア速報値
前年比                3.3%       3.4%
12月ユーロ圏失業率          6.4%       6.6%
英中銀(BOE)、政策金利発表    5.25%で据え置き   5.25%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。米10年債利回りが3.95%台まで上昇したことを受けて欧州勢がユーロ売り・ドル買いで参入。前日の安値1.0795ドルを下抜けると目先のストップロスを巻き込んで一時1.0780ドルと昨年12月13日以来の安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。22時30分発表の前週分の米新規失業保険申請件数や10-12月期米単位労働コスト・速報値が予想よりも弱い内容だったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが進行。アジア時間の高値1.0822ドルを上抜けて一時1.0875ドルまで上値を伸ばした。米10年債利回りは一時3.8147%前後と昨年12月28日以来約1カ月ぶりの低水準を付けた。
 なお、24時発表の1月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことが伝わると、1.0808ドル付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。

・ドル円は頭が重かった。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行すると一時147.11円と日通し高値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると失速した。低調な米労働関連の指標をきっかけに米長期金利が低下すると全般ドル売りが優勢に。前日の安値146.01円を下抜けて一時145.90円まで値を下げた。
 前日に38%の急落となった米地銀ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)株が本日も10%超下落。市場では「米地銀株の急落でリスク回避の動きが優勢となり、米金利が低下した」との声が聞かれた。高く始まったダウ平均が下げに転じたタイミングでは、リスク回避の円買い・ドル売りも入った。

・ユーロ円は日本時間夕刻に一時158.08円と日通し安値を付けたものの、22時前には159.15円まで上昇した。その後158.33円付近まで下押ししたものの、NY午後に入ると再び強含み159.20円と日通し高値を更新した。

・ポンドドルは底堅い動き。英イングランド銀行(BOE、英中銀)の金融政策公表を前にポジション調整目的の売りが先行すると一時1.2625ドルまで値を下げたものの、結果が伝わると一転上昇した。NY市場に入るとドル全面安となった流れに沿って一時1.2740ドルまで上値を伸ばした。
 なお、BOEは市場予想通り政策金利を現行の5.25%で据え置くことを決めたと発表。MPC議事要旨では「2人が0.25%の利上げ、1人が0.25%の利下げを主張した」「金融政策は十分な期間にわたって制限的である必要」との見解が示された。また、ベイリーBOE総裁は会見で「金利の水準は依然として適切」「十分な期間にわたって制限的な金融政策を維持する必要がある」「まだ金利を引き下げられる段階には達していない」などと話した。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。決算とあわせて自社株買いを発表した石油大手シェルが買われると指数は上昇に転じる場面もあったが、引けにかけて再び下落した。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたことが相場の重し。HSBCやバークレイズなど金融株も値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続落。前日の米国株が下落したことを受けて売りが優勢となった。個別ではコベストロ(2.71%安)やバイエル(2.16%安)、アディダス(2.08%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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