NYマーケットダイジェスト・2日 NYダウ史上最高値・金利上昇・ドル高

(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.38円(前営業日比△1.95円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.07円(△0.86円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0788ドル(▲0.0084ドル)
ダウ工業株30種平均:38654.42ドル(△134.58ドル)
ナスダック総合株価指数:15628.95(△267.31)
10年物米国債利回り:4.02%(△0.14%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.28ドル(▲1.54ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2053.7ドル(▲17.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
1月米雇用統計
失業率                3.7%       3.7%
非農業部門雇用者数変化       35.3万人    33.3万人・改
平均時給(前月比)          0.6%       0.4%
平均時給(前年比)          4.5%      4.3%・改
12月米製造業新規受注(前月比)    0.2%       2.6%
1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
                   79.0        78.8

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに大幅反発。米労働省が発表した1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比35.3万人増と予想の18.0万人増を上回り、失業率が3.7%と予想の3.8%より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。平均時給が前月比0.6%上昇/前年比4.5%上昇と予想の前月比0.3%上昇/前年比4.1%上昇を上回ったことも相場の支援材料となり、一時148.58円まで大きく値を上げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.86%台から4.05%台まで急騰した。
 ただ、買い一巡後は148円台前半で値動きが鈍った。週末を控えてポジション調整目的の売買に終始したほか、「市場の関心はすでにパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が4日(日本時間5日9時)に出演する米CBSニュースの番組『60ミニッツ』に移っている」との指摘があった。なお、パウエル氏は当番組でインフレリスクや利下げを巡る見通し、銀行システムなどについて話すようだ。

・ユーロドルは反落。米雇用統計の上振れをきっかけに米早期利下げ観測が後退するとドル全面高の展開となった。3時30分前に一時1.0780ドルまで値を下げ、前日に付けた昨年12月13日以来の安値に面合わせした。市場では「米雇用者数が1年ぶりの大幅増となり、賃金も伸びが加速。米労働市場が再び勢いを増していることが示唆され、利下げ先送りの可能性が高まった」との声が聞かれた。

・ユーロ円は続伸。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入った。米早期利下げ観測が後退したにもかかわらず、米株式市場で主要3株価指数がそろって上昇したことも円売り・ユーロ買いを誘った。2時30分前には一時160.26円と日通し高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、連日で史上最高値を更新した。1月米雇用統計の上振れを受けて米早期利下げ観測が後退すると売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。決算内容が好感されたメタプラットフォームズやアマゾン・ドット・コムなど、一部の大型ハイテク株が買われ、相場の押し上げ要因となった。
 多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続伸し、2022年1月以来2年1カ月ぶりの高値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは5日ぶりに大幅反落。1月米雇用統計の上振れを受けて米早期利下げ観測が後退すると売りが膨らんだ。市場では「米労働市場がFRBの想定よりも強いのは明らか」との声が聞かれた。

・原油先物相場は3日続落。良好な1月米雇用統計を受けてドルが全面高となったため、ドル建てで取引される原油の割高感が意識されて売りが強まった。

・金先物相場は5日ぶりに反落。1月米雇用統計が良好な結果となり米長期金利が急騰すると、金利のつかない金の魅力が低下し売りが優勢となった。

(中村)
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