欧州マーケットダイジェスト・8日 株まちまち・金利上昇・円安

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.37円(8日15時時点比△0.80円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.92円(△0.71円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0773ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:7595.48(前営業日比▲33.27)
ドイツ株式指数(DAX):16963.83(△41.87)
10年物英国債利回り:4.051%(△0.063%)
10年物独国債利回り:2.354%(△0.038%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。内田真一日銀副総裁は東京時間の講演で「2%の物価安定目標について先行きの不確実性はなお高いが、見通しが実現する確度は少しずつ高まっている」としたうえで、「仮にマイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」と発言。日銀の低金利政策が続くとの見方から、欧州市場に入っても幅広い通貨に対して円売りが進んだ。
 一方、堅調な米雇用情勢などを背景に米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は後退しており、ドルは引き続き買われやすい地合いとなった。1時前には一時149.48円と昨年11月27日以来の高値を付けた。

・ユーロドルは下げ渋り。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.15%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。前日の安値1.0752ドルを下抜けて一時1.0742ドルまで値を下げた。前週分の米新規失業保険申請件数が21.8万件と予想の22.0万件より強い内容だったこともユーロ売り・ドル買いを促した。
 ただ、5・6日の安値1.0723ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ユーロ円の上昇につれた買いも入ると、1.0783ドル付近まで持ち直した。
 なお、ウンシュ・ベルギー中銀総裁は「賃金上昇が利下げを阻んでいる」と述べたほか、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストは「2%目標への道筋確保には一段のディスインフレが必要」などと発言。また、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は「ECBが今年利下げしない可能性は確かにある」と話した。

・ユーロ円はしっかり。内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も緩和的な金融環境が続くとの見方を示したことで、海外市場でも円安が進んだ。3時前には一時160.96円と本日高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時188.49円、豪ドル円は97.04円、NZドル円は91.01円、カナダドル円は111.00円、スイスフラン円は170.95円、南アフリカランド円は7.89円まで値を上げた。

・ロンドン株式相場は続落。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇したことを受けて英株にも買いが先行したものの、終盤失速した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株の下落が相場の重しとなった。HSBCやバークレイズなど金融株も売られ、指数を押し下げた。

・フランクフルト株式相場は反発。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇したことが投資家心理の支えとなり、買いが優勢となった。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(3.98%高)やコンチネンタル(3.03%高)、BMW(2.84%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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