NYマーケットダイジェスト・8日 NYダウ史上最高値・金利上昇・円安

(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.32円(前営業日比△1.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.94円(△1.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0778ドル(△0.0006ドル)
ダウ工業株30種平均:38726.33ドル(△48.97ドル)
ナスダック総合株価指数:15793.71(△37.07)
10年物米国債利回り:4.15%(△0.03%)
WTI原油先物3月限:1バレル=76.22ドル(△2.36ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2047.9ドル(▲3.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数   21.8万件    22.7万件・改
12月米卸売売上高(前月比)      0.7%     ▲0.1%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。内田真一日銀副総裁が東京時間に「仮にマイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」と発言したことを受けて、日銀の低金利政策が続くとの見方が強まると、海外市場に入っても円売りが続いた。
 一方、堅調な米雇用情勢などを背景に米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は後退しており、ドルは引き続き買われやすい地合いとなった。1時前には一時149.48円と昨年11月27日以来の高値を付けた。

・ユーロドルは小幅ながら3日続伸。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.16%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。前日の安値1.0752ドルを下抜けて一時1.0742ドルまで値を下げた。前週分の米新規失業保険申請件数が21.8万件と予想の22.0万件より強い内容だったこともユーロ売り・ドル買いを促した。
 ただ、5・6日の安値1.0723ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ユーロ円の上昇につれた買いも入ると、1.0783ドル付近まで持ち直した。欧州中央銀行(ECB)高官から早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだことも相場の支援材料。
 なお、ウンシュ・ベルギー中銀総裁は「賃金上昇が利下げを阻んでいる」と述べたほか、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストは「2%目標への道筋確保には一段のディスインフレが必要」などと発言。また、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は「ECBが今年利下げしない可能性は確かにある」と話した。

・ユーロ円は続伸。内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も緩和的な金融環境が続くとの見解を示したことで、海外市場でも円安が進んだ。5時30分前には一時160.99円と本日高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時188.49円、豪ドル円は97.04円、NZドル円は91.04円、カナダドル円は111.04円、スイスフラン円は170.96円、南アフリカランド円は7.89円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。決算内容が好感されたウォルト・ディズニーが買われ、相場を下支えした。半面、米長期金利の上昇が相場の重しとなったため、上値は限定的だった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も小幅に3日続伸し、2022年1月以来2年1カ月ぶりの高値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容となったことを受けて売りが優勢となった。ただ、30年債入札が「好調」と受け止められたこともあり、下値は限定的だった。

・原油先物相場は4日続伸。イスラム組織ハマスが提示した休戦案をイスラエルが拒否し、中東情勢の緊迫化が続くことへの懸念で原油は大幅続伸した。また、米エネルギー情報局(EIA)が今年の米国内産油量見通しを前回から下方修正したことも引き続き原油相場の支えとなった。

・金先物相場は3日ぶりに小幅安。この日発表の米新規失業保険申請件数や12月米卸売売上高が予想比強い結果となったこともあり、米長期金利が上昇し、金利が生じない金は売りに押された。

(中村)
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