ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ユーロドル、続伸

 15日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0772ドルと前営業日NY終値(1.0727ドル)と比べて0.0045ドル程度のユーロ高水準となった。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会で「賃金の上昇がこれまで以上に重要なインフレ要因になっている」「インフレ率が2%へ向かっている証拠はまだ不十分」「インフレが上昇する可能性が残されているため、早急な決断は避けたい」と述べ、利下げを急がないよう警告するとユーロを買い戻す動きが先行した。NYの取引時間帯に入り、1月米小売売上高や同月米鉱工業生産が予想を下回ったことが伝わると全般ドル売りが加速。0時30分前には一時1.0785ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、一時は4.18%台まで低下した米10年債利回りが4.25%台まで上昇すると伸び悩んだ。2時前には1.0755ドル付近まで下押しする場面があった。
 なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.18と日通し安値を付けたものの、そのあとは104.45付近まで下げ渋った。

 ドル円は続落。終値は149.93円と前営業日NY終値(150.58円)と比べて65銭程度のドル安水準だった。米小売指標の下振れをきっかけに円買い・ドル売りが先行すると、22時30分過ぎに一時149.57円と日通し安値を付けた。
 ただ、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは出やすく、下押しは限定的だった。2月米NY連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数などが予想よりも強い内容となったことも相場を下支えした。米長期金利が低下幅を縮めたことも買い戻しを促し、1時30分過ぎには150.25円付近まで下げ渋った。

 ユーロ円はほぼ横ばい。終値は161.52円と前営業日NY終値(161.53円)と比べて1銭程度のユーロ安水準。欧州市場序盤には160.92円まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。フランスやドイツの株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移すると、リスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比450円高の3万8590円まで上昇したことも買いを促し、一時161.65円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:149.57円 - 150.58円
ユーロドル:1.0725ドル - 1.0785ドル
ユーロ円:160.92円 - 161.65円

(中村)
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