NYマーケットダイジェスト・22日 NYダウ史上最高値・長期金利横ばい・ドル底堅い

(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.53円(前営業日比△0.23円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.92円(△0.30円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0823ドル(△0.0004ドル)
ダウ工業株30種平均:39069.11ドル(△456.87ドル)
ナスダック総合株価指数:16041.62(△460.75)
10年物米国債利回り:4.32%(横ばい)
WTI原油先物4月限:1バレル=78.61ドル(△0.70ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2030.7ドル(▲3.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数   20.1万件    21.3万件・改
2月米製造業PMI速報値        51.5       50.7
2月米サービス部門PMI速報値     51.3       52.5
2月米総合PMI速報値         51.4       52.0
1月米中古住宅販売件数
前月比                3.1%     ▲0.8%・改
年率換算件数            400万件     388万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。欧州市場序盤に一時150.02円と日通し安値を付けたものの、一目均衡表転換線が位置する149.91円がサポートとして働くと買い戻しが優勢となった。
 NYの取引時間帯に入り、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが活発化。ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演で「物価安定という最終目標の達成を損なわないよう、インフレ鈍化を受けた政策金利の過度な引き下げを警戒する必要がある」と述べ、過度な緩和に警鐘を鳴らしたことも相場の押し上げ要因となり、2時過ぎに150.69円と14日以来の高値を付けた。
 ただ、同日高値150.83円や13日に付けた年初来高値150.89円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。

・ユーロドルは小幅ながら7日続伸。米新規失業保険申請件数が予想外に減少したことを受けて全般ドル買いが先行。23時30分過ぎに一時1.0803ドルと日通し安値を更新した。ただ、前日の安値1.0790ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。
 市場では「1.0828ドル近辺に位置する200日移動平均線を意識した動き」との声が聞かれた。

・ユーロ円は5日続伸。欧州市場では2月仏製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことを受けて一時163.47円と昨年11月27日以来約3カ月ぶりの高値を付けたものの、2月の独・ユーロ圏製造業PMI速報値が予想に反して悪化したことが伝わると失速した。NY市場ではユーロドルの下落につれた売りが出て、24時前に162.65円付近まで下押しした。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。市場予想を上回る四半期決算や業績見通しを発表した米半導体大手エヌビディアが16%超急伸すると、投資家心理が強気に傾き、ハイテク株や半導体株を中心に買いが膨らんだ。市場では「AI関連企業の業績成長期待が改めて強まった」「生成AI普及期待が投資マネーの流入を促し、主要国の株高を後押しした」との声が聞かれ、日本やフランス、ドイツの株価指数も史上最高値を更新した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに大幅反発し、2021年11月以来2年3カ月ぶりの高値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことを受けて売りが出た半面、市場では「値ごろ感からの買いが入った」との声も聞かれ、相場はもみ合いの展開となった。

・原油先物相場は続伸。原油在庫増への警戒感から序盤は77ドル前半まで売り押された。しかしながら石油輸送で重要な紅海の混乱は収まっておらず、地政学リスクへの警戒感から一巡後は下値を切り上げる展開に。米エネルギー省(EIA)発表の週間在庫統計では、原油は4週連続で積み増しながらも前回から大幅に減少。原油は買い戻し優勢となり、底堅いまま引けた。

・金先物相場は続落。前週分の新規失業保険申請件数が予想より強かったことを受け、売りが先行。米金利が中期を中心に上昇したことも、金利がつかない金の重しとなった。もっとも、2030ドル割れでは下げ渋った。

(中村)
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