NY為替見通し=嵐の前の静けさ、明日・明後日の日米政策金融決定会合前に動意薄か

 明日公表される日銀の金融政策決定会合では、マイナス金利解除と長短金利操作(YCC)は撤廃する一方で、国債買い入れは継続されるとの予想を、市場はほぼ織り込んでいる。週末の日経新聞でも「見通し」との記載にはなっているがほぼ確定的と思われ、サプライズを期待するのは難しい。また、植田日銀総裁の会見でも、緩和的な金融スタンスの変更はないと示唆すると思われていることで、低金利維持期待で日経平均株価は本日四桁の上げ幅を記録して引けている。

 このメインシナリオから逸脱するような決定や、植田日銀総裁の会見を期待するのは非常に難しく、ドル円相場も市場はある程度この決定を織り込んだと思われる。現行の水準も2月13日に付けた今年の高値150.89円、その後の下押し水準となった8・11日安値146.49円の半値148.69円からさほど離れていないことで、明日を含め同水準から上下1円程度で行き来することになるのではないかと思われる。

 なお、本日米国から発表される経済指標は、3月の全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数以外は主だったものは予定されていない。同指数は昨年11・12月がそれぞれ34、37と事業環境の好悪判断をする節目の50より大幅に下回ったが、今年に入り1月は44、2月は48まで回復している。住宅インフレが懸念されてはいたが、環境が改善してきていることもあり、余程前月よりも悪化していない限りは市場を動意づけるのは難しいだろう。


・想定レンジ上限
 ドル円は、3月6日高値150.08円。

・想定レンジ下限
 ドル円は、日足一目均衡表・基準線148.69円。


(松井)
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