ニューヨーク外国為替市場概況・5日 ドル円、反発

 5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は151.62円と前営業日NY終値(151.34円)と比べて28銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した3月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比30.3万人増と予想の20.0万人増を上回り、失業率が3.8%と予想の3.9%より強い内容だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時過ぎに一時151.75円と日通し高値を付けた。
 前日の高値151.77円が目先レジスタンスとして意識されると151.44円付近まで伸び悩む場面もあったが、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、押し目を拾いたい向きは多く下押しは限定的だった。
 なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「利下げについて考えるのはあまりに早過ぎる」「インフレの上振れリスクに対する懸念が高まっている」と述べたほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「まだ利下げを検討する時期ではない」「可能性は低いものの、インフレを抑制するために追加利上げが必要になる可能性はある」などと話した。

 ユーロドルは横ばい。終値は1.0837ドルと前営業日NY終値(1.0837ドル)とほぼ同水準だった。米重要指標を発表前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0848ドルと日通し高値を付けたものの、米雇用統計の上振れをきっかけに全般ドル買いが活発化すると、22時過ぎに一時1.0791ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、そのあとはユーロ円の上昇につれた買いが入り、1.0844ドル付近まで下げ幅を縮めた。市場では「来週11日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控える中、200日移動平均線が位置する1.0833ドル付近を睨んだ動きとなった」との指摘があった。

 ユーロ円は反発。終値は164.32円と前営業日NY終値(164.03円)と比べて29銭程度のユーロ高水準。前日に急落したダウ平均が一時440ドル超上昇したうえ、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比420円高の3万9400円まで反発したことで、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢になった。1時前には一時164.44円と日通し高値を更新した。

 カナダドル円は下値が堅かった。カナダ統計局が発表した3月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が0.22万人減と予想の2.50万人増に反して減少したうえ、失業率が6.1%と予想の5.9%より弱い内容だったことが分かると売りが先行。23時過ぎに一時111.12円と日通し安値を更新した。
 ただ、米国株相場の上昇や原油高を背景に円売り・カナダドル買いが優勢になると111.66円付近まで持ち直した。

本日の参考レンジ
ドル円:150.81円 - 151.75円
ユーロドル:1.0791ドル - 1.0848ドル
ユーロ円:163.49円 - 164.44円

(中村)
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