欧州マーケットダイジェスト・10日 株高・金利上昇・ドル高

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.76円(10日15時時点比△0.95円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.20円(▲0.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0750ドル(▲0.0102ドル)
FTSE100種総合株価指数:7961.21(前営業日比△26.42)
ドイツ株式指数(DAX):18097.30(△20.61)
10年物英国債利回り:4.148%(△0.119%)
10年物独国債利回り:2.435%(△0.064%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
前月比                0.2%       0.2%
前年比                3.9%       4.5%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。米重要指標の発表を控えて、しばらくは151円台後半でのもみ合いが続いたが、NYの取引時間帯に入ると上値を試す展開となった。
 米労働省が発表した3月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%/前年比3.5%と予想の前月比0.3%/前年比3.4%を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数は前月比0.4%/前年比3.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%より強い内容となった。米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化した。バリアオプションが観測されていた152.00円を突破すると、目先のストップロスを断続的に誘発し、一時152.98円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。米財務省が実施した米10年債入札が「不調」と受け止められたことで、米長期金利が上昇幅を拡大したこともドル買いを促した。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5660%前後と昨年11月14日以来の高水準を記録した。

・ユーロドルは軟調。3月米CPIの上振れをきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢に。1時30分過ぎ一時1.0729ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.30と昨年11月14日以来約5カ月ぶりの高値を付けた。
 ただ、2日の安値1.0725ドルがサポートとして働くと下げ渋った。

・ユーロ円は売り先行後、もみ合い。米CPI発表後にユーロドルが下落すると円買い・ユーロ売りが先行。22時前に一時164.03円と日通し安値を付けた。ただ、そのあとはドル相場となったためユーロ円自体は方向感が出にくい状況となった。

・ロンドン株式相場は反発。米物価指標の上振れを受けて米国株が下落すると英株にも売りが出て下げに転じる場面があった。ただ、引けにかけては買い戻しが優勢となり再び上昇に転じた。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。

・フランクフルト株式相場は小反発。米インフレ指標の上振れを受けて米国株が下落すると独株にも売りが波及。しばらくはマイナス圏で推移したものの、終盤持ち直した。個別ではドイツ銀行(2.41%高)やコメルツ銀行(1.88%高)、ドイツテレコム(1.76%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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