東京為替見通し=ドル円、日銀金融政策決定会合後の円買い介入の可能性に要警戒か

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米1-3月期のPCEコア価格指数が前期比年率予想を上回ったことで155.75円まで上昇し、1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。ユーロドルは予想を下回った米1-3月期GDP速報値で1.0739ドルまで上昇後、コアPCEが予想を上回っていたことで1.0678ドルまで反落、そして再び1.0739ドルまで反発した。ユーロ円は、165.95円から167.09円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀金融政策決定会合や経済・物価情勢の展望(展望レポート)、そして植田日銀総裁の会見を見極めながら、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

 日銀金融政策決定会合では、ゼロ金利の維持が予想されているが、一部報道では、国債買い入れ縮小の方法が検討される、円安加速の影響を議論する、と報じられており、展望レポートでは物価見通しの上方修正が見込まれている。
 15時30分からの植田日銀総裁の記者会見では、円安による輸入物価の上昇が基調的な物価上昇率に影響を与える可能性に言及することが予想されるが、2022年9月22日の円買い介入の再現となる可能性に警戒しておきたい。

 イエレン米財務長官は、2022年秋の本邦通貨当局による円買い介入に関しては、「ボラティリティーを滑らかにするスムージング(smoothing out volatility)が目的であれば理解できる」と述べていた。しかし、昨日は、「介入は過度な変動(excessive volatility)がある場合に限定され、事前に協議があることが期待される」と述べた。

 神田財務官が円買い介入の大義名分としている投機筋の円売り圧力とボラティリティー増大の状況は、2022年9月22日時点と現状は以下の通りとなっている。

■2022年9月22日
・IMMネット円売り持ち高:81280枚(※9/20時点)
・ボリンジャー・バンド+2σ:146.12円
・FF金利誘導目標:3.00-25%

・午前11時台:日銀金融政策決定会合で大規模金融緩和策の維持が決定され、ドル円は145.37円まで上昇した後、日銀のレートチェックの噂などで143.55円まで急落した。
 神田財務官は「過度な変動や無秩序な動きは、容認できない」「あらゆる手段を排除せず、対応できる準備」「必要な時は必ず介入することになる」と述べた。
・午後15時30分過ぎ:黒田日銀総裁が「必要であれば躊躇なく追加的な緩和措置を講じる。当面金利を引き上げるようなことはない」と述べたことで、145.90円まで上昇した。
・午後17時30分頃:本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入(2兆8382億円)が実施され、ドル円は140.70円まで急落した。

■2024年4月26日
・IMMネット円売り持ち高:165619枚(※4/16時点)
・ボリンジャー・バンド+2σ:156.55円
・FF金利誘導目標:5.25-50%




(山下)
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