欧州マーケットダイジェスト・29日 株安・金利上昇・ドル高

(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.63円(29日15時時点比△0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.45円(▲0.06円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0813ドル(▲0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:8183.07(前営業日比▲71.11)
ドイツ株式指数(DAX):18473.29(▲204.58)
10年物英国債利回り:4.400%(△0.119%)
10年物独国債利回り:2.690%(△0.098%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
      <発表値>    <前回発表値>
6月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
        ▲20.9     ▲24.0・改
5月仏消費者信頼感指数
         90        90
5月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比)   0.1%       0.5%
(前年比)   2.4%       2.2%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米利下げ観測の後退などを背景に米長期金利が上昇すると、日米金利差を意識した円売り・ドル買いが優勢となった。米7年債の入札が低調な結果だったことが伝わると、米10年債利回りが4.63%台まで上昇。全般ドル買いが活発化し、一時157.71円と1日以来の高値を付けた。

・ユーロドルは頭が重かった。16時30分前と21時過ぎに1.0859ドル付近まで値を上げたものの、オセアニア時間に付けた日通し高値1.0860ドルや前日の高値1.0889ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。5月独消費者物価指数(CPI)速報値が前月比で予想を下回ると、「米連邦準備理事会(FRB)よりも欧州中央銀行(ECB)のほうが先に利下げに動く」との見方が強まり、ユーロ売り・ドル買いが活発化。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、一時1.0807ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は一進一退。17時過ぎに一時170.17円と日通し安値を付けたものの、21時過ぎには170.76円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値170.80円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ユーロドルの下落につれた売りも出て170.21円付近まで下押しした。もっとも、そのあとは170.56円付近まで買い戻されるなど、大きな方向感は出なかった。

・ロンドン株式相場は6日続落。米利下げ観測の後退などを背景に欧米の長期金利が上昇すると、投資家心理が悪化し株売りを促した。電力・ガス供給のナショナル・グリッドや電力のSSEなど公益企業株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株は買われた。

・フランクフルト株式相場は続落。米利下げ観測の後退などを背景に欧米の長期金利が上昇し、投資家心理を冷やした。個別ではシーメンス・エナジー(3.84%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(3.19%安)、バイエル(3.15%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。米利下げ観測の後退などを背景に米国債が下落すると欧州債にも売りが波及した。

(中村)
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