ニューヨーク外国為替市場概況・31日 ドル円、反発

 31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は157.31円と前営業日NY終値(156.82円)と比べて49銭程度のドル高水準だった。米商務省が発表した4月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前月比0.2%と予想の0.3%を下回ると米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下し、全般ドル売りが先行。5月米シカゴ購買部協会景気指数が35.4と予想の41.0を下回ったことも相場の重しとなり、一時156.56円と日通し安値を更新した。
 ただ、前日の安値156.38円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。市場では「月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、157.35円付近まで持ち直した。
 日銀はこの日、4-6月の国債買い入れオペ(公開市場操作)の運営方針を更新し、6月の日程を公表。全ての年限で1回あたりの買い入れ予定額のレンジと月間の実施回数を前回から据え置いた。日銀の早期政策修正観測が後退したことで円売りが出やすい面もあった。

 ユーロドルは小幅ながら続伸。終値は1.0848ドルと前営業日NY終値(1.0832ドル)と比べて0.0016ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を上回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行。米インフレ指標の下振れでドル売りが加速すると一時1.0882ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、28日の高値1.0889ドルや16日の高値1.0895ドルがレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いが入ると1.0840ドル付近まで下押しした。その後は週末を控えたポジション調整の動きに終始したため、1.08ドル台半ばで値動きが鈍った。
 なお、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はフランスの格付けを「AA」から「AA-」に引き下げたと伝わったが、相場の反応は限られた。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反発。終値は170.62円と前営業日NY終値(169.86円)と比べて76銭程度のユーロ高水準。日銀の早期政策修正観測が後退する中、全般円売りが先行。ユーロ圏HICP速報値の上振れもユーロ買いを促し、22時過ぎに一時170.75円と日通し高値を付けた。ただ、28・29日の高値170.80円がレジスタンスとして働くと上昇は一服。そのあとは170円台半ばでのもみ合いに終始した。

本日の参考レンジ
ドル円:156.56円 - 157.37円
ユーロドル:1.0811ドル - 1.0882ドル
ユーロ円:169.45円 - 170.75円

(中村)
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