欧州マーケットダイジェスト・10日 株安・金利上昇・ユーロ上値重い

*一部表記に誤りがあったため訂正いたしました。

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.00円(10日15時時点比▲0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.92円(△0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0759ドル(△0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:8228.48(前営業日比▲16.89)
ドイツ株式指数(DAX):18494.89(▲62.38)
10年物英国債利回り:4.322%(△0.060%)
10年物独国債利回り:2.670%(△0.050%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
5月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比)   ▲0.1%      0.8%
(前年比)    3.0%      3.6%
5月スイスSECO消費者信頼感指数
         ▲38.0      ▲38.1

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは売りが先行後、もみ合い。9日の欧州議会選で減税を掲げる極右の国民連合(RN)が台頭したことで、マクロン仏大統領は下院議会を解散し総選挙を実施すると発表。同国の政治リスクと財政悪化を懸念したユーロ売りが出た。19時30分過ぎには一時1.0733ドルと日通し安値を付けた。なお、フランスの代表的な株価指数CAC40は一時2%超急落した。
 ただ、欧州中央銀行(ECB)高官らの発言が相次ぐと、「ECBは追加利下げを急いでいない」との見方からユーロを買い戻す動きが出て1.0760ドル台まで下げ渋った。
 カジミール・スロバキア中銀総裁は「夏の間は金利について急ぐ必要はなく、楽観視できる」「9月の新しい経済データを待ってから判断したい」と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「ECBは今後の金利軌道についてはなお慎重である必要」「ECBの利下げサイクルは必ずしも始まっていない」などと発言。また、ラガルドECB総裁は「金利は必ずしも直線的に低下するわけではない」「ECBはまだインフレ退治の勝利宣言はしない」などと話した。

・ドル円は157.00円を挟んだもみ合いに終始した。11-12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や13-14日の日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードが広がり、相場はもみ合いの展開となった。米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、方向感が出にくい面もあった。

・ユーロ円は下げ渋り。仏政局不安を背景にユーロ売りが先行すると19時30分前に一時168.30円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、3時過ぎに168.95円付近まで下げ幅を縮めた。

・ロンドン株式相場は続落。欧州議会選挙で欧州連合(EU)に懐疑的な勢力が伸長したことで欧州株全般に売りが出ると、英株にも売りが波及した。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが売られたほか、バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続落。欧州議会選で与党が大敗し解散総選挙を実施することになったフランスの株価が一時2%超急落すると、他の欧州株にも売りが出た。個別ではポルシェ(2.36%安)やバイエル(2.19%安)、RWE(1.67%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。

(中村)
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