欧州マーケットダイジェスト・11日 株安・金利低下・ドル底堅い

(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.12円(11日15時時点比▲0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.78円(▲0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0742ドル(▲0.0023ドル)
FTSE100種総合株価指数:8147.81(前営業日比▲80.67)
ドイツ株式指数(DAX):18369.94(▲124.95)
10年物英国債利回り:4.268%(▲0.054%)
10年物独国債利回り:2.622%(▲0.048%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
5月英雇用統計
失業率      4.3%      4.1%
失業保険申請件数
        5.04万件   0.84万件・改
2-4月英失業率
(ILO方式)    4.4%      4.3%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。9日の欧州議会選で減税を掲げる極右の国民連合(RN)が台頭したことで、マクロン仏大統領は下院議会を解散し総選挙を実施すると発表。同国の政治リスクと財政悪化を懸念したユーロ売りが引き続き出た。「マクロン大統領が辞任の可能性を議論した」との一部報道もユーロ売りを促し、一時1.0720ドルと5月2日以来の安値を更新した。
 ただ、売り一巡後はやや買い戻しが優勢となり下げ渋った。米10年債入札が「好調だった」と伝わり、米10年債利回りが4.40%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りがじわりと強まった。

・ドル円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時157.39円まで値を上げたものの、米長期金利が低下すると一転売りが優勢に。22時前に一時156.81円と日通し安値を付けた。
 ただ、前日の安値156.52円が目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。米長期金利が低下幅を縮めたことも相場を下支えし、1時30分前には157.40円と日通し高値を更新した。
 もっとも、米10年債入札後に米金利が再び低下幅を拡大すると157.10円付近まで下押しした。

・ユーロ円は下げ渋り。欧州の政局不安などを背景に円買い・ユーロ売りが優勢になると、21時30分過ぎに一時168.30円と前日安値に面合わせしたものの、そのあとは下げ渋った。ドル円の持ち直しにつれた。

・ロンドン株式相場は3日続落。前日の米国株相場が上昇した流れを受けて買いが先行したものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に積極的な買いが入りにくい中、欧州の政局不安などを背景に売りが出た。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続落。明日のFOMC結果公表を前に積極的な買いが入りにくい中、欧州の政局不安などを背景に株売りが優勢となった。個別ではコメルツ銀行(3.29%安)やドイツ銀行(3.17%安)、ラインメタル(2.63%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。なお、仏国債はこの日も下落した。同国で下院解散と選挙実施が決まったことをきっかけにした仏国債への売りが続いた。

(中村)
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