欧州マーケットダイジェスト・13日 株安・金利低下・ユーロ全面安

(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.93円(13日15時時点比▲0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.58円(▲1.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0742ドル(▲0.0062ドル)
FTSE100種総合株価指数:8163.67(前営業日比▲51.81)
ドイツ株式指数(DAX):18265.68(▲365.18)
10年物英国債利回り:4.123%(▲0.005%)
10年物独国債利回り:2.470%(▲0.060%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
5月独卸売物価指数(WPI)
(前月比)   0.1%       0.4%
5月スイス生産者輸入価格
(前月比)   ▲0.3%      0.6%
4月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比)   ▲0.1%     0.5%・改
(前年比)   ▲3.0%     ▲1.2%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは下落。フランスとドイツの与党が欧州議会選挙で敗北を喫したことで、欧州連合(EU)内の政治的不安が深まっており、この日もユーロ売りが続いた。5月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると一時1.0816ドル付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。欧米株式相場の軟調推移などを手掛かりにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いも出ると、2時前に一時1.0733ドルと日通し安値を更新した。
 なお、独公共放送が本日公表した世論調査によると、ショルツ首相率いる連立与党に対する不満が過去最高に達した。6-9日に実施された欧州議会選では連立与党3党がいずれも敗北した一方、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が議席を伸ばした。

・ドル円は頭が重かった。米連邦準備理事会(FRB)は利下げに慎重との見方からしばらくは157円台前半での底堅い展開が続いた。NYの取引時間帯に入ると米PPIの下振れを受けて一時156.59円とオセアニア時間に付けた日通し安値に面合わせしたものの、23時前には157.27円付近まで持ち直した。
 もっとも、買い戻しが一巡すると再び弱含んだ。欧米株安を背景にユーロ円などクロス円が下落した影響で156.70円付近まで下押しした。米30年債入札が「好調」と受け止められ、米長期金利が再び低下したことも相場の重し。

・ユーロ円はさえない。日本時間夕刻に一時170.14円と日通し高値を付けたものの、仏独の政局不安を手掛かりに欧州株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが広がった。2時過ぎには一時168.28円と日通し安値を更新した。
 なお、欧州株式市場で仏CAC40と独DAXはいずれも2%近く急落した。

・ユーロはドルや円以外の通貨に対しても下落した。ユーロ豪ドルは一時1.6181豪ドル、ユーロNZドルは1.7404NZドル、ユーロポンドは0.8417ポンド、ユーロカナダドルは1.4756カナダドル、ユーロスイスフランは0.9599スイスフランまで値を下げた。

・ロンドン株式相場は反落。欧州の政局不安などを背景に欧州株全般に売りが広がった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。BPやシェルなどエネルギー株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は大幅に反落。欧州の政局不安などを背景に株売りが優勢となった。個別ではポルシェ・オートモービル・ホールディング(5.83%安)やコンチネンタル(3.58%安)、フォルクスワーゲン(3.47%安)など自動車関連株の下げが目立ち、全40銘柄が下落する展開となった。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。独10年債利回りは一時2.461%前後と5月17日以来約1カ月ぶりの低水準を付けた。

(中村)
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