欧州マーケットダイジェスト・14日 株安・金利低下・円買い戻し

(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.31円(14日15時時点比▲0.83円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.29円(▲1.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0698ドル(▲0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:8146.86(前営業日比▲16.81)
ドイツ株式指数(DAX):18002.02(▲263.66)
10年物英国債利回り:4.056%(▲0.067%)
10年物独国債利回り:2.360%(▲0.110%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
5月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比)    0.0%      0.0%
(前年比)    2.3%      2.2%
4月ユーロ圏貿易収支
(季調済) 194億ユーロの黒字 172億ユーロの黒字・改
(季調前) 150億ユーロの黒字  241億ユーロの黒字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは下落。フランスを中心にユーロ圏の政治混乱が懸念される中、この日もユーロ売りが続いた。ユーロ圏の主要株式相場の下落も背景にリスク・オフのドル買いも入ると、23時前に一時1.0668ドルと5月1日以来の安値を更新した。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は一時2%超下落した。

・ドル円は頭が重かった。日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で、政策金利の据え置きと国債購入の減額方針を決定したものの、具体的な減額計画の策定は次回7月に持ち越した。これを受けて東京市場では円売りが優勢となり、一時158.26円と4月29日以来の高値を付けた。
 ただ、植田和男日銀総裁が定例記者会見で「国債買い入れ減額は相応の規模になる」「データ次第では7月に利上げの可能性がある」との見解を示すと一転円買い・ドル売りが優勢に。19時30分前には一時156.89円付近まで下押しした。もっとも、東京時間に付けた日通し安値156.86円が目先サポートとして働くと下げ渋った。

・ユーロ円はさえない。欧州の政局不安などを背景に全般ユーロ売りが優勢になると、一時167.53円と5月16日以来の安値を付けた。ユーロ圏の主要株式相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りも入った。ただ、NY市場に入ると168.00円を挟んだもみ合いに転じた。

・ロンドン株式相場は続落。政治不安を背景にフランスなど欧州の株式相場が軟調に推移すると、運用リスクを避ける動きが広がり、英株にも売りが波及した。BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が売られたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続落。フランスを中心にユーロ圏における政治の不透明感が改めて意識される中、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。個別ではコンチネンタル(6.27%安)やラインメタル(5.30%安)、コメルツ銀行(4.41%安)などの下げが目立った。
 なお、フランスの株価指数は2.66%安、イタリアは2.81%安、スペインは0.67%安となった。

・欧州債券相場は上昇。欧州の政局不安などを背景に安全資産とされる独国債が買われた。

(中村)
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