欧州マーケットダイジェスト・18日 株高・金利低下・ユーロ持ち直し

(18日終値:19日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.85円(18日15時時点比△0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=169.46円(△0.21円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0735ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:8191.29(前営業日比△49.14)
ドイツ株式指数(DAX):18131.97(△63.76)
10年物英国債利回り:4.048%(▲0.067%)
10年物独国債利回り:2.396%(▲0.018%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
6月独ZEW景況感指数
        47.5        47.1
6月ユーロ圏ZEW景況感指数
        51.3        47.0
5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比)   2.6%       2.6%
5月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比)   2.9%       2.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは買い戻し。フランスの政治情勢を巡る不透明感から仏株価指数が下落するとリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが先行。21時前に一時1.0710ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、前日の安値1.0686ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。仏株価指数が上昇に転じると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎユーロ買い・ドル売りが入った。
 NY市場に入り、5月米小売売上高が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。アジア時間の高値1.0741ドルを上抜けて一時1.0761ドルまで上値を伸ばした。
 もっとも、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、1.0734ドル付近まで伸び悩んだ。

・ドル円は上値が重かった。日本時間夕刻に一時158.23円と日通し高値を付けたものの、14日の高値158.26円が目先レジスタンスとして働くと失速。米小売売上高の下振れをきっかけに全般ドル売りが優勢になると157.63円付近まで下押しした。ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いが入ると158.01円付近まで強含む場面もあったが、戻りは鈍かった。
 なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は米メディアとのインタビューで「政策金利は徐々に低下していく」と述べたものの、利下げ開始時期については明言を避けた。

・ユーロ円はユーロドルの上昇につれた買いが優勢になると一時169.91円と日通し高値を更新した。欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク回避姿勢が後退したことも円売り・ユーロ買いを誘った。
 ただ、ユーロドルが伸び悩むとユーロ円にも売りが出たため、169.35円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。フランスなどユーロ圏の政治や財政を巡る過度な懸念が和らぐと、英株にも買いが入った。前日の米国株や本日の日本株が上昇したことも投資家心理の改善につながった。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業関連の銘柄が買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は続伸。政治情勢の不透明感から下落が続いていたフランスの株価指数が続伸すると、投資家心理が改善し独株にも買いが入った。前日の米国株や本日の日本株が上昇したことも相場の支援材料。個別ではドイツ証券取引所(1.88%高)やキアゲン(1.73%高)、シーメンス・エナジー(1.72%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。予想を下回る米小売指標を手掛かりに米国債相場が上昇すると独国債にも買いが波及した。


(中村)
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