NY為替見通し=ドル円、6月米PMIに注目 加ドルはカナダ小売売上高を材料視

 本日のNY為替市場のドル円は、6月米製造業・サービス部門PMI速報値や米10年債利回りの動向を見極めつつの取引。なお、一時159円台まで円安が進行しており、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 6月米製造業PMI速報値は市場予想51.0、同サービス部門が予想53.7と、それぞれ前回51.3と54.8から低下見込み。また、5月米景気先行指標総合指数は前月比-0.3%と、4月-0.6%からの改善予想。米国の景気動向を受けた、同国10年債利回りに注目することになる。

 ドル円は本日、一時159円台に乗せた。4月29日に高値160.17円を付けた後に本邦通貨当局が円買い介入に踏み切った水準でもあり、円買い介入の可能性は念頭に入れておいたほうが良いか。

 5月4日、イエレン米財務長官は、3日終了週の円相場の動きは急激だったと認めた後、「こうした介入は稀であるべきで、協議が行われることが期待される」と釘を刺していた。
 
 しかしながら日本の政府高官筋によると、4月17日に開催された日米韓財務相会談の時、イエレン米財務長官は、自国通貨の急激な下落を巡る日本と韓国両財務相の懸念に留意する姿勢を示し、日本に対しては160円をレッドラインとして、ドル売り・円買い介入を容認していたとのことである。本日、ドル円が160円に向けて続伸した場合、この噂の真相が判明することになる。

 ところで昨日米財務省が公表した外国為替報告書では、日本は2024年4月と5月に、22年10月以来初めての円買い・ドル売り介入を実施したと指摘した。そして、日本の外為取引には透明性があるとしながらも「財務省の期待としては、自由に取引される大規模な外為市場において、介入は適切な事前協議のもと、極めて例外的な場合にのみ行われなくてはならない」と釘を刺していた。

 なお加ドルは、4月カナダ小売売上高に注目することになる。予想は前月比+0.7%で、3月の同比-0.2%からの改善が見込まれている。

 カナダ中銀(BOC)は6月会合で0.25%の利下げに踏み切った。インフレ率が2%の目標に向かっているとの確信を深め、さらなる進展が得られれば「追加利下げを想定するのは理にかなう」と表明している。次回7月会合での追加利下げを見極める上では、5月消費者物価指数(CPI)の結果が注目されている。

 市場が次のBOC利下げを視野にいれつつあるなか、本日の小売売上高では予想を下回るネガティブサプライズに警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、160.17円  (4/29高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、157.33円(日足一目均衡表・転換線)
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