ロンドン為替見通し=ECB高官発言チェックしつつNY待ち、トルコ金融政策にも注目

 ロンドンタイムは、欧州中央銀行(ECB)高官の発言内容をチェックしつつ、NYタイムを待つことになる。NYタイムは、確定値だが米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する個人消費価格指数(PCEデフレーター)のコア指数の1-3月期分、米新規失業保険申請件数に、予想や前月の数値から結果が上下に振れやすい米耐久財受注額の5月分が発表予定。

 より注目度の高い経済指標の発表が乏しいNYの動き出し前まで、欧州通貨は時間外取引の米金利や欧州株の動向をにらみながらの推移となりそう。6月のECB利上げ前から複数回の利下げを示唆しつつも連続利下げで利下げサイクルをスタートすることに否定的だった欧州序盤のミュラー・エストニア中銀総裁による講演や、「夏の間は金利について急ぐ必要はなく、楽観視できる」としているカジミール・スロバキア中銀総裁の講演は大きな動きにつながりそうではないが、どちらかといえばユーロの重しか。

 加えて注目は20時のトルコ中銀による金融政策発表。政策金利50%の据え置きが予想されているものの、注目はシムシェキ財務相も自信を示していた「夏以降のインフレ減速」について中銀がどのような見解を示すか。トルコリラの局所的な動きになるとみるが、大きく振れる展開も視野に入れて臨みたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:週足一目均衡表・転換線1.0783ドル。
・トルコリラ円:4月29日高値4.91円や200日移動平均線4.94円が意識され、超えると節目の5円が視野入り。

想定レンジ下限
・ユーロドル:4月16日につけた年初来安値1.0601ドル。
・トルコリラ円:日足一目均衡表・雲の上限4.80円。

(関口)
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