NY為替見通し=ドル円、6月米ISM製造業景況指数に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、6月米ISM製造業景況指数を見極めつつ、引き続き本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 6月米ISM製造業景況指数は49.2と予想されており、5月の48.7からの改善が見込まれている。「物価指数」や週末の米6月雇用統計に向けて「雇用指数」に注目しながら、米10年債利回りの反応に注目することになる。

 6月米ISM製造業景況指数が予想を上回る改善を示しても、米6月雇用統計は失業率が4.0%、非農業部門雇用者数の予想は前月比19.0万人増と5月の同比27.2万人増から増加幅の減少が見込まれており、米10年債利回りやドル相場の反応は限定的だと思われる。

 また、ドル円は、1990年4月の高値を上抜けて、1986年12月以来の高値圏に突入しており、テクニカル分析では、新たなレンジに移行したと見なせる。
 上値の目処は、1978年10月のカータードル防衛の時の安値175.50円や斜行三角形上抜けの目標値192.90円処となる。

 3年目の任期満了で退任が発表された神田財務官は、7月末まで職務を遂行することになっており、円安に深刻な懸念を表明していたことから、ドル売り・円買い介入に踏み切る可能性には警戒しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、161.81(ピボット・レジスタンス2)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、160.26(6/28安値)

(山下)
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