欧州マーケットダイジェスト・1日 株高・金利上昇・ドル高

(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=161.50円(1日15時時点比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.27円(△0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0729ドル(▲0.0026ドル)
FTSE100種総合株価指数:8166.76(前営業日比△2.64)
ドイツ株式指数(DAX):18290.66(△55.21)
10年物英国債利回り:4.281%(△0.109%)
10年物独国債利回り:2.607%(△0.107%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
6月英ネーションワイド住宅価格
(前月比)   0.2%       0.4%
5月スイス小売売上高
(前年同月比)  0.4%     2.2%・改
6月スイス製造業PMI
        43.9       46.4
6月仏製造業PMI改定値
        45.4       45.3
6月独製造業PMI改定値
        43.5       43.4
6月ユーロ圏製造業PMI改定値
        45.8       45.6
6月英製造業PMI改定値
        50.9       51.4
5月英消費者信用残高
       15億ポンド  8億ポンド・改
5月英マネーサプライM4
(前月比)   ▲0.1%    0.0%・改
6月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比)   0.1%      0.1%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。23時発表の6月米ISM製造業景況指数が48.5と予想の49.2を下回ったことが伝わると一時161.01円付近まで下押ししたものの、反応は限定的。24時過ぎには一時161.73円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を付けた。市場では「ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けて、月初や期初に絡んだドル買いが入った」との指摘もあった。
 フィキシング通過後は若干伸び悩んだものの、下押しは161.41円付近にとどまった。

・ユーロドルは上値が重かった。週末に実施された仏下院選挙ではルペン氏率いる極右の国民連合(RN)が得票率で首位になる見通しとなったものの、市場予想に沿った結果だったほか、決選投票では与党連合や左派連合が協力して極右の伸長阻止を狙う方針を示したため、投資家のリスク回避姿勢が緩和。ユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0776ドルと日通し高値を更新した。ただ、7日には仏下院選第2回投票を控えているだけに、ユーロ買いの勢いは次第に後退した。
 NY市場では6月米ISM製造業景況指数が予想を下回ったことを受けて一時1.0768ドル付近まで強含んだものの、そのあとは再び弱含む展開に。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、一時1.0720ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円は強含み。仏下院選挙で極右のRNが単独過半数に届かない見通しが強まると、全般ユーロ買いが先行。フランスの株価指数が1%超高となるなど、欧州各国の株式相場が上昇すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ユーロ買いが強まった。22時30分前には一時173.67円と1999年のユーロ導入以来の高値を更新した。

・ロンドン株式相場はほぼ横ばい。週末に実施された仏下院選における初回投票の得票率などが伝わるにつれて投資家のリスク回避姿勢が和らぐと買いが先行した。ただ、引けにかけては売りが強まり値を消した。BPやシェルなどエネルギー株が買われた半面、BAEシステムズやレレックスなど資本財サービス株が売られた。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。週末に実施された仏下院選における初回投票の得票率などが伝わるにつれて投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、欧州株全般に買いが入った。個別ではザランド(4.39%高)やドイツ銀行(3.34%高)、コメルツ銀行(2.96%高)などの上昇が目立った。
 なお、フランスの株価指数は1.09%高、イタリアは1.70%高、スペインは1.04%高となった。

・欧州債券相場は下落。仏選挙への警戒が和らぐと、相対的に安全な資産とされる独国債に売りが出た。

(中村)
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